大自然が生み出した「穴神鍾乳洞」 外気温との差は約10度 歴史や生命を感じながら“涼”を楽しむ【愛媛発】

AI要約

愛媛県西予市にある「穴神鍾乳洞」は、涼しさと歴史を楽しめるスポットである。

鍾乳洞内は約10度もの温度差があり、周囲の空気はひんやりとして心地よい。

鍾乳洞内には縄文人の住居跡や化石があり、古代の暮らしを感じることができる。

大自然が生み出した「穴神鍾乳洞」 外気温との差は約10度 歴史や生命を感じながら“涼”を楽しむ【愛媛発】

連日猛暑が続いている中、愛媛県でちょっと変わった“涼”を楽しめる場所を発見した。西予市城川町川津南地区にある「穴神鍾乳(しょうにゅう)洞」だ。悠久の時をかけて大自然が生み出したこのひんやりスポットで、涼とともに歴史の息吹を感じてみてはいかがだろうか。

岩肌に設置された扉の先には、知る人ぞ知る「穴神鍾乳洞」が広がっている。地元の活性化に取り組む市民グループ「川津南やっちみる会」の立山久恵さんの案内で、鍾乳洞の中へと足を踏み入れた。

外気温33度から一転、鍾乳洞内の温度は22度前後と、約10度もの温度差に思わず歓声が上がる。全長約300メートルの鍾乳洞のうち、75メートルが一般見学用に整備されており、階段や手すりが設置されている。

西予市は、2013年に「日本ジオパーク」に認定されており、約4億年前の地層や海底が隆起してできた四国カルストなど、貴重な地質や地形が点在している。

この鍾乳洞は、恐竜がいたジュラ紀に地殻変動で海底の地層が隆起し、その後、長い年月をかけて雨や地下水などによって浸食されてできたと考えられている。立山さんは「1億5000万年くらい前に水で掘られたり、いろいろしてできたそうですね」と教えてくれた。

鍾乳洞内部を進むにつれ、さらに気温が下がっていく。温度計は18度を指し、周囲の空気はひんやりとして心地よい。そんな涼を楽しみながら歩みを進めると、突如コウモリが飛び交う姿もあった。

「こちらがウニの化石です」と立山さんが指さす先には、海底が隆起してできた鍾乳洞ならではの化石が眠っていた。ウニや二枚貝の化石を探しながら歩くのも、鍾乳洞探検の楽しみの一つだ。

鍾乳洞内には「縄文人住居跡」と書かれた看板もある。立山さんは「ここは昔から開いていて、神社もあったりしたので、縄文人がここに入って雨露をしのぎながら生活をしていた」と説明する。土器や貝殻の装飾品なども出土しており、はるか昔の人々の暮らしを今に伝えている。

テレビ愛媛・内木敦也アナウンサー:

もちろん涼しいですし、それだけじゃなくて探っていくと色んな学びもあり、歴史も分かるんですね。

川津南やっちみる会・立山久恵さん:

やっぱり涼しさ、そして子どもたちが見つけてくれた洞窟を楽しむ。それとコウモリを体感して帰っていただきたい。

穴神鍾乳洞の見学は予約制で、希望があれば地元のガイドも同行してくれる。涼しさを感じながら、悠久の歴史が作り出した鍾乳洞の神秘的な世界を体験してみてはいかがだろうか。

(テレビ愛媛)