マセラティMC20ベースの公道向け硬派モデル、GT2ストラダーレがモントレーでデビュー

AI要約

マセラティがGT2ストラダーレを世界初公開。

レーシングカーと公道スポーツカーの融合で高性能を実現。

GT2選手権やマセラティの優勝実績についても紹介。

マセラティMC20ベースの公道向け硬派モデル、GT2ストラダーレがモントレーでデビュー

マセラティは、スーパースポーツカーの「マセラティGT2ストラダーレ」をカリフォルニアで開かれているモントレー・カー・ウィーク2024の「ザ・クエイル・モータースポーツ・ギャザリング」で世界初公開した。

◆レーシング・カーと公道スポーツカーの融合

マセラティGT2ストラダーレ」は、GTレースに復帰するために開発されたレーシング・カーの「マセラティGT2」と、マセラティのミドシップ・スポーツカーである「MC20」を融合させたモデル。レーシング・カーのパフォーマンスに相応しい高い性能とMC20譲りの最高のクオリティを兼ね備えている。

◆マセラティの最高の形

スタイリングやパフォーマンスにレーシング・カーのクオリティを有しつつ、コンディションを問わず理想的なフィーリングと快適性が得られ、マセラティならではのドライバビリティを最高の形で楽しむことできるという。

エンジンはMC20と同じ副燃焼室を備えた3.0リッターV6ツインターボだが、10psの出力アップが図られ、最高出力640psを発生。車両重量は60kgの低減が図られている。これらにより0-100km/h加速はMC20よりも0.1秒速い2.8秒でクリア。最高速はMC20よりも5km/h低い320km/h超となっている。

また、パフォーマンスの向上を図ることができるカスタマイズ・パッケージ、力強いデザインのスタイリング・パーツ、特別に用意されたカスタマイズ・プログラムの「フォーリセリエ」など、多彩なオプションが用意されるのもGT2ストラダーレの大きな特徴だ。

◆マセラティのエッセンスを凝縮

マセラティのダヴィデ・グラッソCEOは、「マセラティGT2ストラダーレは、我々が誇るモータースポーツのヘリテージとブランドを象徴するMC20の2つの要素を併せ持つ先鋭的なモデルだ。毎日ドライブしたくなることを掲げ、卓越したエンジニアリング、イノベーション、デザイン、エモーションをオーナーに届けるという目標のもと開発した。一方で、マセラティのレーシングDNAともいうべき、サーキット専用車に求められる洗練されたソリューションを見つけ出すことができた。高い快適性を最先端のドライバー・アシスタンス・システムとともに届けることができる。最も見識眼の優れた愛好家の期待にも応える、マセラティのエッセンスを凝縮したモデルだ」と自信を見せている。

◆GT2選手権は2021年に設立

なお、ヨーロッパで開催されているGT2選手権は、アマチュア・ドライバーが参戦するために誕生したGTレースで、世界中でGTレースを数多く運営しているSRO(ステファン・ラテル・オーガニゼーション)の手により2021年に設立された。参戦車両は、世界的に有名なハイパフォーマンスカーのスポーツカーばかりで、メンテナンスなどを手がけるのも経験豊富なプロフェッショナル・チームが中心となっている。マシンの位置付けとしては、GT3の直下となるものの、エンジン・パワーはGT3を上回っている。

一方で、エアロダイナミクスがラップタイムに与える影響をGT3よりも小さくすることで、アマチュア・ドライバーにも扱いやすい特性を実現している。今シーズンは、ポール・リカール、ミサノ、スパ、ホッケンハイム、モンザ、バルセロナで計12戦が開催され、毎戦20台近いGT2レーサーがしのぎを削っている。

◆すでに多くの優勝を重ねる

これまでに実施された4レースで、マセラティGT2はフランス、イタリア、ベルギーでそれぞれ1回ずつ勝利し、計3回の優勝を収めたほか、 アマチュア・クラスでは、ポール・リカールで1回、ミサノで2回、クラウドストライクで1回、ホッケンハイムで1回、計4回の優勝を果たしている。

また、「ファナテックGT2ヨーロピアン・シリーズ」には、3台のマセラティGT2が、「LPレーシング」と「TFTレーシング」という2つのメインチームとともに参戦。優勝や表彰台にあがっている。

なお、ザ・クエイル・モータースポーツ・ギャザリングでは、GT2ストラダーレに加えて、北米初公開となるMC20の特別仕様車、「MC20イコーナ」と、同じ週末に開かれるラグナ・セカのイベントで最初のモデルがデリバリーされるサーキット専用モデルの「MCXtrema」も展示された。

文=塚田勝弘

(ENGINE WEBオリジナル)