母に電話で「もう辞めたい」千葉絵里菜(29)がそれでも東京パラリンピックの障害者リポーターを辞めなかった訳

AI要約

千葉絵里菜さんは中学生の頃に車椅子カーリングを始め、NHKの東京パラリンピック障害者キャスター・リポーターに選ばれた経緯を語っている。

選ばれたときの驚きや引っ越しの準備、車椅子ユーザー向けのアドバイスを受けるなどして東京での生活をスタートさせた様子が描かれている。

母に電話で「もう辞めたい」千葉絵里菜(29)がそれでも東京パラリンピックの障害者リポーターを辞めなかった訳

2021年の東京パラリンピックのNHK障害者キャスター・リポーターを務めた千葉絵里菜さん。北海道から上京して慣れない都会暮らしをしながらのキャスター業は、何度も挫折しそうになりながらの挑戦だったといいます。(全3回中の2回)

■倍率53倍の中から選ばれた大役

── NHKの東京パラリンピック、障害者キャスター・リポーターにはどうやって選ばれたのですか?

千葉さん:中学生のころに車椅子カーリングを始めたおかげで、障害者スポーツやパラリンピックに関心が高い人が周囲に多かったんです。そういった方が「NHKが障害者リポーターを公募しているから申し込んでみたら?絵里菜ちゃん向いてるんじゃない?」と言ってくれて、思いきって応募しました。159人の応募があったのですが、最終的に私を含む3人が選ばれたんです。

── 選ばれたときのお気持ちはいかがでしたか?東京で働くことになったのですよね?

千葉さん:「まさか」のひと言です。受かるとは思っていなかったので、嬉しかったですけど驚きが大きかったです。そこからはすごいスピードでいろんなことが進んでいきました。まずは引っ越し。1か月も経たずに東京へ引っ越す必要があったので、部屋探しとヘルパーさん探しを始めました。

ちょうどそのころ、北海道で「バリアフリーモーターフェスティバル」というイベントが開催され、そこに元F1レーサーの長屋宏和さんが来ていました。長屋さんはレース中に車がクラッシュして頸椎を損傷し、車椅子ユーザーになった方。初対面でしたが思いきって話しかけ、「来月から東京へ行くのですが、部屋もヘルパーさんも決まっていなくて…。もしよかったらいろいろとアドバイスいただけませんか?」とお願いしたら快く相談にのってくださいました。東京の家賃の高さにはびっくりしましたが、NHKに近く車椅子ユーザーも住みやすいというマンションを探してくださったり、話しやすくて仕事も丁寧なヘルパーさんも紹介してたりしたおかげで、東京生活がスタートできました。