キングセイコー“新シリーズ”を深堀り【往年の名作をアップデート】“KS1969”の魅力とは

AI要約

2024年に登場する新コレクション“KS1969”は、1969年に発売された45KCMをデザインソースに選び、滑らかな曲線のオーバルケースが特徴となっている。

新色のパープル文字盤は伝統色“江戸紫”を表現し、矢の“矢羽根”のような多面カットインデックスが個性を加えている。

薄さや曲線的なケースフォルム、特別開発された多列ブレスレットなど、60年代のキングセイコーへのオマージュが際立つデザインとなっている。

キングセイコー“新シリーズ”を深堀り【往年の名作をアップデート】“KS1969”の魅力とは

ミドルレンジで購入できる良質な国産機械式時計の代表格と言える“キングセイコー”。2021年に限定で復刻モデルが発売後、22年よりキングセイコーの2代目“KSK(65年発売)”を現代の技術で進化させたコレクションを展開してきたが、24年は1969年に登場した“45KCM”をモチーフとする新コレクション“KS1969”が登場している。

本作は1969年に発売された45KCMをデザインソースに選び、なめらかな曲線のアイコニックなオーバルケースに仕上げた新シリーズだ。歴史と未来が交錯する東京から着想を得たという文字盤カラーは、シルバー、パープル、グリーンの3種類が展開されている。

写真のパープル文字盤は、古くから人々に愛されてきた伝統色“江戸紫”を新色で表現。12時位置に配置された的に向かって真っすぐに飛んでいく矢の“矢羽根”のような多面カットインデックスも文字盤に個性を加えている。

また、印象的なのがケースフォルムだろう。“KS1969”では69年のオリジナルモデルからデザインコードを継承しつつ、より三次元的な造形を与えられた。キングセイコーの既存モデルは多面カットが施されたケースとラグ、フラットな多列ブレスレットなどシャープで直線的な造形が印象的だが、本作は曲線的で薄さが際立つフォルムが特徴となっている。

60年代のキングセイコーをオマージュして新開発された多列ブレスレットにも注目しておきたい。少し幅をもたせた両サイドのコマ、鏡面仕上げとヘアライン仕上げで分けられた細長いコマを組み合わせた13連タイプの構造で、コマを細く仕立てたことで腕に沿うような快適な装着感を味わうことができる。薄型の造形は、ラグの先端に向けて薄くシェイプしたケースとのバランスも良好だ。

セイコーの現行機種で最も薄い自動巻きムーヴメント“キャリバー6L35”を搭載したことで、厚さ9.9㎜のエレガントなデザインとなった。