漁師アイテムからタウンユースへ:ギョサンの新しい可能性

AI要約

ギョサンの歴史や魅力について、その普及過程や愛用者たちのエピソードを通して紹介されている。

ギョサンは1960年代後半に一体成型サンダルとして製造されており、ダイバーや一般の人々にも愛されるようになっている。

麻生さんがギョサンに魅了された経緯や、「ぎょさんネット」を立ち上げた背景が語られている。

漁師アイテムからタウンユースへ:ギョサンの新しい可能性

ギョサン好きによるさまざまなギョサンを集めたオンラインストア「ぎょさんネット」。ギョサンといえば、漁師の方々が使用する印象もあるが、近年はさまざまなバリエーションが増え、タウンユースとしても愛用されるケースが増えてきているそうだ。

「ぎょさんネット」店長の麻生さんはギョサンに魅了され、以降多種多様なギョサンを販売するサイトを立ち上げた。私たちはギョサンの魅力をどこまで知っているだろうか。改めて教えていただいた。

ーはじめに、ギョサンの歴史について教えてください。いつ頃から漁師以外の方にも愛されるようになったのでしょうか。

もともとギョサンは、1960年代後半にPVC樹脂を使った一体成型サンダルとして奈良県などを中心に製造されるようになりました。70年代に小笠原諸島で販売されるようになると、「丈夫で長持ちする上にスベらない」ことが評判となり、島民に愛されるようになったといいます。

この時に漁協で売っていたこと、漁業従事者がよく履いていたことなどから、略して「漁サン」と呼ばれるようになったようです。

その後、ダイビングで小笠原を訪れるダイバーの皆さまが、機能性の高さや値段の安さなどを気に入り愛用を始め、またお土産に買って帰ったりして徐々に全国的に広まっていきました。90年代くらいにカラーバリエーションが増えると、少しずつタウンでも使用されるようになっていきました。

ー麻生さんが、ギョサンに魅了されたきっかけは?

私は神奈川県出身ですが、2003年くらいから5年ほど沖縄に住んでおりました。移住してすぐにダイバーの友達にギョサンを紹介されて履き始め、5年間ほぼ毎日履いたにもかかわらず一度も壊れず履き続けることができたことから「なんて素晴らしいサンダルなんだ!」と感動したんです。

その後、神奈川県に戻り、ウェブサイト制作会社で働いていたときに「あの素晴らしいギョサンを世の中にもっと広めよう!」と思い、副業(趣味)で2008年に「ぎょさんネット」を立ち上げました。ひとつのことにのめり込みやすい性格なので、どんどんギョサン愛が深まり、2010年には「ぎょさんネット」が本業になりました。

ギョサンの魅力はやはり、「スベらない」「壊れない」「お財布に優しい」ということと、「ギョサン」というインパクトある愛称ですかね。「ギョサン」を履いている人はみんな友達と思えてしまいます。