朝ドラ"モデル"の母校・明大と4年連続増の関学大 2025年入試で志望者が多くなりそうな大学は?

AI要約

2024年の大学入試の志願者増減率や入試方式についての統計が発表された。

共通テスト利用入試の志願者が増加しており、一般入試でも活用される大学が多かった。

関西学院大学や明治大学などが注目されており、2025年の入試動向も予測されている。

朝ドラ

 『学研・進学情報(2024年・夏号)』によると、志願者増加率が高かったのは、関西学院大学(志願者数52624人、前年比120.3%)、東洋大学(102910人、118.1%)、専修大学(51289人、114.2%)、名城大学(42649人、110.2%)、青山学院大学47109人107.2%)となっている。逆に、減少率が大きかったのは、日本大学(75839人、77.7%)、関西大学(72588人、93.3%)、近畿大学(147100人、96.5%)である。

 志願者増加率が高かったのは、学校推薦型や総合型の選抜でない一般入試(一般選抜)でも、全教科独自出題の一般方式と共通テスト利用方式の両方がある大学だ。共通テストの結果はいろいろな大学の一般入試も利用できるので、コスパやタイパ重視の受験生には使い勝手が良い。ちなみに、慶応義塾大学のように共通テストを全く利用しない大学もあるので、要注意だ。

 千葉工業大学(一般方式志願者55232人、共テ利用方式志願者87413人)、大東文化大学(一般8238人、共テ14565人)は、共通テスト利用入試の志願者が多数派の大学だ。多数派ではないが、共通テスト利用方式の志願者が比較的多い主な大学の中では、青山学院大学(一般25068人、共テ22041人)、東洋大学(一般58095人、共テ44815人)立教大学(一般34224人、共テ22271人)だ。関西圏では、立命館大学(一般67309人、共テ28407人)、関西学院大学(一般39627人、共テ12997人)などが目につく。これらの大学志願者は、共通テスト利用入試の動向も考えて、志願状況もチェックしておくべきであろう。

 志願者数は「併願者数の合計」なので、同じ大学で複数学部の併願や同学部でいろいろな入試方式があり併願できる場合も合算される点に注意が必要だ。一方、志願者の実人数をカウントして算出したのが実出願者だ。大学当局が調べて公表するので、8月時点では2024年入試は未確定が多い。参考までに2023年度入試で、実志願者が多かった私大は、多い順に明治大学、法政大学、日本大学、早稲田大学、中央大学、東洋大学、立命館大学、近畿大学・立教大学、慶応義塾大学となっていた。有名私大の実志願者が多くなるのは自然だろう。

 2025年入試志願状況については、リクルート進学総研が、全国7地域の高校3年生に志願したい国公立大・私立大を尋ねた「志願度」の2024年の調査結果が参考になろう。

 関東甲信越エリアは、1位:明治大学(10.8%)、2位:早稲田大学(9.3%)、3位:立教大学(7.6%)となっている。関西エリアでは、1位:関西大学(14.4%)、2位:大阪公立大学(13.7%)、3位:近畿大学(12.8%)である。

 明治大学は、昔は早稲田大学受験生の併願校といわれたものであるが、最近は様変わりしている。早稲田大学は、政経学部が数学必須にするなど学部入試が多様化している。そのため、国英社の私大専願受験生に敬遠されており、明治大学が第1志望に選ばれるようになった。駿河台キャンパスは銀座などの都心に近くタワーマンション風の校舎も見栄えがするうえ、NHKの朝ドラ『虎に翼』のヒロイン寅子さん(女性初の弁護士・裁判官)の母校であることも、女子受験生の人気を集める要因になるかもしれない。

 関西圏で注目したいのが、4年連続で志願者増の関西学院大学だ。2021年度に理工学部を、理学部・工学部・生命環境学部・建築学部に改組・再編したことが大きいと思われる。学ぶ分野が多様化し、理系女子志望者に注目されたのであろう。

(木村誠/教育ジャーナリスト)

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