近所にスーパーが2つあるのですが同じ食品でも「値段」が全然違います。スーパーの価格設定って「原価何%」くらいなのでしょうか?

AI要約

スーパーで買い物をする際に価格の違いに疑問を持つ理由や、スーパーマーケットの原価率と利益率についての説明。

商品カテゴリー別の目標利益率の平均値や、店舗ごとの設定価格の違いについての解説。

規模や店舗数がある企業ほど目標利益率が低い傾向にあることについての詳細。

近所にスーパーが2つあるのですが同じ食品でも「値段」が全然違います。スーパーの価格設定って「原価何%」くらいなのでしょうか?

スーパーで買い物をする際に「ほとんど近所にある店舗同士なのになんでこんなに値段が違うの?」と疑問を抱いたことのある方も多いのではないでしょうか。

基本的にスーパーで売られる商品の価格は店舗側が自由に決めるものですが、商品によって価格がほとんど変わらないものと、大きく差がでるものがあります。

今回は、スーパーマーケットの原価率と利益率について解説します。

一般社団法人全国スーパーマーケット協会による2023年の調査によると、全国のスーパーマーケットにおける商品カテゴリー別の目標利益率の平均値は、表1の通りでした。

出典:一般社団法人全国スーパーマーケット協会「2023年スーパーマーケット年次統計調査」を基に筆者作成

日配品とは、毎日仕入れられる賞味期限・消費期限の比較的短い食品のことです。牛乳や豆腐、パン類、デザート類が例として挙げられます。同調査では冷凍食品やアイスクリームも日配品に分類されています。

また、非食品は日用品や医薬品、化粧品や文具など雑貨コーナーにある商品のことです。

上記は利益率であるため、おおよその原価率は100%から利益率を引くことで求められます。表1より、最も原価率が高いのは一般食品の80.2%(利益率19.8%)で、最も原価率が低いのは惣菜の62.2%(利益率37.8%)であることが分かります。

■設定価格は店舗によって異なる

店舗によって売り出したい商品や商品の仕入価格が異なるため、すべてのスーパーマーケットが常に表1の利益率を守っているわけではありません。例えば、特売日は全体的に利益率を少し下げて集客につなげたり、曜日によって特定カテゴリーの商品だけ安くしたりして、バランスを取っています。

また、店舗の規模やエリア、物流の強さによって商品の仕入価格は異なります。近くにある店舗同士でも同じ商品で販売価格が異なるのは、売り出し価格と仕入れ力の違いによるものといえるでしょう。

■規模や店舗数がある企業ほど目標利益率は低い傾向にある

一般社団法人全国スーパーマーケット協会による同調査の「商品カテゴリー別目標とする利益率(平均値)/企業分類別」によると、規模や店舗数別の目標利益率の平均値は、表2、表3の通りでした。