売れた芸人が持っていたのは「伸びしろ」より「捨てしろ」だった【吉本芸人学校人気NO.1講師】

AI要約

放送作家、NSC(吉本総合芸能学院)10年連続人気1位の桝本壮志が、成功体験を通じて「大切そうに見えて実はそうでもないものから自分を解放すること」の重要性を説く。

彼が学校の職員室を捨てて生徒とのコミュニケーションを改善した経験から、部下の立場や状況に配慮した対話の質を高める方法を提案。

「捨てしろ」とは、先入観や便宜上の大切さから解放されて、新しい視点やアプローチを取ることを意味している。

売れた芸人が持っていたのは「伸びしろ」より「捨てしろ」だった【吉本芸人学校人気NO.1講師】

放送作家、NSC(吉本総合芸能学院)10年連続人気1位であり、王者「令和ロマン」をはじめ、多くの教え子を2023年M-1決勝に輩出した・桝本壮志のコラム。

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ある取材にこう答えた。

「EXIT兼近さんや、令和ロマン、ぼる塾など、やはり売れっ子芸人にはNSC時代から“伸びしろ”を感じましたか?」

「もちろんですが、伸びしろは若い人ならみんな持ってます。むしろ売れた芸人さんが持ってるのは、伸びしろより“捨てしろ”ですかね」

ライターにぽかんとされました。みなさんもそうでしょう。一体どういうことか? 今週もゆっくりほぐしていきますね。

紙袋や容器は「何かに使える」と思って保管するけど、気づけばパンパンにかさみ生活スペースを圧迫する。

あれと同じで、「大切そう」に見えて「実は大切じゃないもの」はたくさんあります。

例えば、僕は学校の「職員室」を捨てました。

みなさんの会社でも、部下に話があるとき、多くのリーダーが自分のデスクや自室に呼びますよね? 僕もNSCで生徒らを自室に呼んでいました。

一見、「下位の人が目上の人のもとへ出向くこと」は大切に思えますが、呼び出されたほうは緊張や委縮をするので“対話の質”は下がる。

重要なのは「こちらの意図を伝え、あちらの意見を聞く」ことなので、リーダーのほうから部下のもとに出向き、彼らが自然体になれる空間で対話したほうが質は上がる。

そう思い立ち、こちらから出向くようにすると、生徒の表情、理解度がまったく違うんです。これはいいぞと感じ、講師部屋(職員室)を捨て、校内をウロウロするおじさんになってみたら、生徒からどんどん話しかけてくるので組織マネジメントも向上していったんです。

この成功体験は、「部下のほうから出向く=○○であるべき」という先入観をうまく捨てたから。

つまり“捨てしろ”とは、“大切そうに見えて、実はそうでもないものから自分を解放していく”ことなんですね。