「王道の品格のある作品を」 産経国際書展会長賞の島田昌広さん 万葉のみやび表現

AI要約

東京都美術館で開催された第41回産経国際書展で広島県尾道市の島田昌広さんが会長賞を受賞。

受賞作品は「万葉集」から2首の歌を表現したもので、立体感を墨や文字の構成で表現。

島田さんは書道を小学4年生で始め、大学卒業後書道を再開し、国際書展で何度か入賞し成長を実感。

「王道の品格のある作品を」 産経国際書展会長賞の島田昌広さん 万葉のみやび表現

東京・上野公園の東京都美術館で14~21日まで開催される「第41回産経国際書展」(産経新聞社、産経国際書会など主催)で、広島県尾道市の島田昌広さん(42)が産経国際書会会長賞(かな部門)を受賞した。

作品は「万葉集」から中大兄皇子と大伴坂上郎女(おおとものさかのうえのいらつめ)の2首。夕刻に海を眺める中大兄皇子の、今夜は月が明るいであろうという心情と、坂上郎女が奈良の飛鳥の都を寿(ことほ)ぐ歌をつないで紙の上で万葉のみやびを表現。島田さんは「2首を1つの風景としてみてほしい。かすれた線と墨がしっかり入った線で奥行きを出した」と文字の大小や行間隔、墨の濃淡で立体感を現した。

小学4年生で書道を始め、地元の鈴木蒼(そう)さん(65)に師事した。頑張れば昇級し、成果が目に見えることに喜びがあった。大東文化大文学部書道学科に一期生として入り、大学院まで進んだ。東京で就職し一度書道を離れたが、7年ほど前にUターンし、再度鈴木さんの指導を受けるようになった。

「腕は落ちていない」と評価され、「改めて書道の喜びを思い出した」と国際書展への応募を始め、昨年は外務大臣賞を受賞。2年連続入賞に「表現力にまだ足りない点はあるが、王道の品格のある作品をこれからも書いていきたい」と意気込んだ。(藤原由梨)