【ホラー漫画】宮部みゆきの大人気時代小説がついに漫画化→怪談話が人の心を解きほぐす「いまを生きる人にこそ読んでほしい」【作者インタビュー】
原作ファンの宮部みゆきさんのホラー時代小説を漫画化した「三島屋変調百物語」。少女・おちかの成長と人々の不思議話が描かれており、漫画化に至った経緯や制作の裏話を宮本福助さんが語っている。
宮本福助さんは原作ファンであり、台詞や長さの調整に苦労しながらも、原作の世界観を壊さないように工夫している。漫画版を通じて原作の布教も行いたいという思いから取り組んでいる。
読者には主人公・おちかちゃんの成長を見守ってもらいたいという宮本福助さんのメッセージ。原作ファンもそうでない方も楽しめる作品として推している。
宮部みゆきさんのホラー時代小説を原作とし、宮本福助(@fukusuke_m)さんによって漫画化された「三島屋変調百物語」。ある出来事から叔父夫婦が営む江戸で人気の袋物屋・三島屋で暮らすことになった少女・おちかが、三島屋を訪れる人々の不思議話で少しずつ心を開いていく様子が描かれ、原作ファンのみならず人気を集めている。今回、本作を描く宮本福助さんにインタビューを敢行。制作の裏話などを伺った。
■主人公・おちかちゃんの成長を見守ってもらえるとうれしい
なぜ宮部みゆきさんの原作を漫画化することになったのか、そのきっかけについて宮本さんは「オリジナル作品を立ち上げようとしていたのですが、自分が描いたものが全くおもしろく感じなくて、完全にドツボにはまっていた時期がありました。そんな折に飼い猫が病気になって、無職なのに治療費がドンドン出ていって、なんでもいいので仕事くださいとお願いしてご紹介いただいたのがきっかけです」と語る。
本作を描くにあたり、工夫した点については「原作の登場人物の語り口調をそのまま漫画にしてしまうと長くなってしまうので、台詞が多すぎないように、3行以内に台詞を収める、それより長くなる場合は段落を分けるなど見やすさを心がけています」と教えてくれた。また、苦労した点について聞くと「原作がおもしろいので『そのまま描けばいいんじゃないの？』と思い、いざやってみたら『曼珠沙華 前編』だけでネームが軽く100ページを超えてしまいました…。そこからはいかに漫画用にメリハリをつけるか、ひたすらネーム調整しています」と明かした。
原作は宮部みゆきさんの時代小説「三島屋変調百物語」。宮本さんは「素で原作ファンなので布教の気持ちで描いているところもあり、漫画版を読んで『原作読んでみようかな』って思ってくださるとすごくうれしいです」と言う。世界観を壊さず漫画にできているのか、気になるのは原作既読の方の反応だそうだ。「私も原作ファンの一人として精一杯頑張ってコミカライズしますので、一緒に主人公・おちかちゃんの成長を見守ってもらえるとうれしいです」とメッセージを寄せる。原作を読んだ方もそうでない方もぜひ本作を読んでみてほしい。
取材協力：宮本福助(@fukusuke_m)
