話を遮って「自分語り」はもちろんNG…相手に「敬意ある共感」を示す「7つのポイント」

AI要約

会話中に相手の話を遮らず、共感の意味を理解することが重要だという指摘。

自分語りや余計なアドバイスは、相手との信頼関係を損なう恐れがある。

相手の話に丁寧に耳を傾けることで、確実な情報を得ることができ、信頼関係を築く土台となる。

話を遮って「自分語り」はもちろんNG…相手に「敬意ある共感」を示す「7つのポイント」

「話中にうまいことが言えない」「会話が続かない」「ついしゃべりすぎてしまう」――こういった悩みは、“他人にいい印象を与えよう”とする欲求から生まれてくるのだとか。そんなプレッシャーから解放される方法について、コミュニケーションコンサルタントの吉原珠央氏の著書『シンプルだからうまくいく会話のデザイン』より、内容を一部抜粋してお届けいたします。

こちらが何かを話した瞬間、すぐさま「わかります」「わかる~、わかる~」などと、語気を強めて反応する人がいます。共感しようとしてくれる気持ちの表れなのかもしれませんが、その勢いのせいで、相手の話の流れを止めてしまっては、せっかくの気遣いが、台無しになりかねません。

また、それだけならばまだしも、「わかります! 私もまったく同じ経験があって……」などと、そのまま自分語りが始まるケースもよくあります。

そんなとき、共感することが、本来、何を意味しているかについて考えさせられます。

「『共感』とは、自分以外の人の経験を敬意とともに理解すること」

この一節は、対人関係の衝突を避けて、非暴力的なコミュニケーションの解決のため

のプログラムNVC(Nonviolent Communication)を開発したアメリカの心理学者マーシャル・ローゼンバーグ氏が、著書の中で述べていることです。

相手が話したことに対して、自分よがりのアドバイスをしたり、「私もそういうことある!」と、自分のことを語り始めたり、「それがルールでしょ」と正論を言って、「世の中、そんなものだよ」「大丈夫だよ」などと、決めつけた言い方で話を終わらせてしまうような反応は、ローゼンバーグ氏が意味する共感とは、だいぶ程遠いと言えます。

こうした発言は決して悪気があるわけではなく、「私にもあります」「わかります」などと言って、自分もつらい経験をしたがなんとか克服できたと話すことで、相手を励ましたいとか、「この人の問題を、なんとかしてあげたい」という思いから来るものだということは理解できます。

ただ、もしかしたら、単に、「自分も話したい」という欲求の表れになっていたり、「私が話すことは役立つはずだ」という勘違い、または傲慢さから来る、相手にとって余計なアドバイスになっている可能性もあります。

相手の話を遮り、自分の話に酔いしれて、相手の話を軽んじるような会話をしている人というのは、結局、会話を観察する機会を逃すことになるのです。そのため、その話題も、相手についても、なんら確実な情報(相手の感情、要求など)を十分に持てないまま話をせざるを得ません。

そのように、重要な情報を持たない状態で会話をすることは、普段着で富士山の頂上を目指すほどに無謀で、信頼関係という山頂を目指すには、あまりにも準備不足で、相手との間に不安定な状況を作ることになるのです。

ですから、会話では、相手の話が一区切りする1~5分くらいは、話を遮らず、ひたすら丁寧に聞く姿勢を貫き、相手を観察する時間としてとらえたいものです。

もちろん、そこまで丁寧に話を聞ける状況ではない場合もあるでしょうし、相手との関係性によって、調整と判断は臨機応変にする必要性はあるかと思います。ですから、「一区切り」までの時間は、あくまで目安としてください。