「きょうだい」が生まれることで引き起こされる、こどものこころの変化

AI要約

赤ちゃんの誕生による家族の変化や上の子の心理的影響について解説。

上の子が苦慮する理由や行動パターン、親の対応方法について述べられている。

新しい家族構成に適応するための上の子との時間を大切にする方法や生活スタイルの工夫について記されている。

「きょうだい」が生まれることで引き起こされる、こどものこころの変化

【発達心理学からみた赤ちゃんの成長】子どものこころの発達はさまざまな事柄が関係しあい、枝葉のように広がって進んでいくものです。たくさんの枝葉を支える太い幹と根っこが育つには、長い時間が必要です。子どもも親も試行錯誤して、失敗と修復を繰り返しながら、育っていきます。保護者や保育者向けに、就学前までの子どもの発達や対応の具体例をわかりやすく解説した『子どものこころの発達がよくわかる本』から一部を抜粋してお届けします。

これまではママやパパと自分1人だけの関係だったのに、下にきょうだいが誕生するとその関係が一変します。ゆっくりと新しい家族の形を整えていきましょう。

■ライバルの登場にとまどう

きょうだいの誕生は小さな子どもにとって一大事。きょうだいをかわいく思う一方で、自分と親を取り巻く環境が大きく変化してしまうため、とまどうことが増えます。

・上の子

自分中心の生活を下のきょうだいに奪われたと感じ、なかなかかまってもらえないストレスから赤ちゃん返りしたり、嫉妬して関心を引こうとしたりすることも

・親(養育者)

下の子のお世話にかかりっきりになりやすい。そのため、無意識に上の子のことを後回しにしてしまったり、目を配りにくくなったりすることがある

・甘えたいからこそ怒られることをする

上の子は自分のほうに関心を向けてほしくてわざと怒られるようなことをすることがある。頻繁に怒られるようなことをするときは、自分を見てほしいと思っているサインだと思おう

きょうだいが誕生することは上の子にとっては、わくわくすることではありますが、初めての体験でもあります。最初のうちは、赤ちゃんをどう扱えばよいのかがわからず、乱暴に見えるかかわり方をすることもあります。また、親に関心を向けてもらいたくて下の子にいじわるしたり、突然赤ちゃん返りしたりすることもあります。

こうした行動は、上の子が生活に適応しようとがんばっていることの表れです。「○○ちゃんも、赤ちゃんのときはこんなふうに可愛がってもらったよ」「○○ちゃんが大好きよ」「お手伝いしてくれてありがとう」など、自分が大切にされていることを言葉と行動で伝えてもらうことで、上の子は安心感を得ることができます。

新しい生活をつくるのは、エネルギーがいることです。ママやパパだけでがんばるのではなく、いろいろな人の助けを借りましょう。

■子どもと向きあいながら新しい生活へ

焦らず、ゆっくりと、ほかの人たちの手も借りながら、家族が増えた新しい生活を整えていきましょう。

・上の子と2人だけの時間をもつ

一日数分でもよいので、母親もしくは父親をひとりじめできる時間をつくってみる。難しい場合は、身近なほかの大人が穴埋めするのもよい手。例えば、両親に代わって祖父母が積極的にコミュニケーションをとるなど

・一緒に育てる新しい生活スタイルをつくる

きょうだいの年齢差にもよるが、下の子のお世話を一緒にしたり、あそびに交えたりしながら、家族が増えた新しい環境になじめるようにする

続きは<「ひとりっ子は甘えん坊」「なかなか友達ができない」は本当? 発達心理学で考えるひとりっ子の成長>で公開中