駅前繁華街に「角打ち」酒販店オープン 酒好き高じ脱サラ、武田さん(山形)

AI要約

県産酒好きが高じて脱サラし、JR山形駅前に角打ちのできる酒販店を開いた女性の物語。

店では県内の酒蔵、ワイナリー、ビール醸造場の商品を試飲しながら楽しむことができる。

初めての経営に挑戦する女性が、地酒ファンやワインファンを増やすべく日々努力している様子。

駅前繁華街に「角打ち」酒販店オープン 酒好き高じ脱サラ、武田さん(山形)

 県産酒好きが高じて脱サラし、JR山形駅前の山形市香澄町1丁目に県産酒をそろえ、角打ち(「店の一角で飲む」の意味)のできる酒販店を開いた女性がいる。県内の酒蔵、ワイナリー、ビール醸造場の商品を置き、ほとんど店内で試飲できる。飲食店の勤務経験はなく初めての経営も手探り状態だが、「県産酒の魅力を広めたい」という熱意を持って今日も店に立つ。

 駅前の繁華街に酒店「さけ家(や)こんこん」を開店したのは、武田範子さん(50)=同市。「瓶を見ても飲まないと味が分からず、購入につながらない。試飲した酒を買える店があると良いと思っていた」と話す。

 武田さんはもともと自分の店を開く夢を持っていた。昨年度、やまがた産業支援機構(旧県企業振興公社)主催の創業塾を受けて事業プランと決意が固まったため実行に移し、勤めていた製薬会社を今年3月に退職した。空きテナントを使い、6月21日に店を開いた。

 店は自分が好きな銘柄を置き、飛び込み営業もしてラインアップを増やした。今は日本酒約30銘柄、ワイン約20銘柄のほか、クラフトビール、果実酒も用意。幅広い酒を味わってもらおうと価格は低く抑え、できる限り均一料金にした。

 自作のパンフレットを置き、酒の特徴に加え、酒蔵の土地柄やこだわりも紹介している。「経験上、魅力を知った方がおいしく飲めるから」と武田さん。店名は酒がこんこんと湧き出るイメージから名付けた。

 家族は開店に反対したが、「今は応援してくれている」という。経営には「今も不安しかない」というが、酒蔵やワイナリー、卸売会社など応援団が増えた。武田さんは「誰でも気軽に入れる店にして、地酒ファン、ワインファンを増やしたい」と意気込む。

 各種おつまみもある。営業時間は午後3時~午後10時半で、土日祝日は午後1時オープン。水曜定休。電話は050(1110)4880。