扇風機の盲点。熱中症のリスクを高める使い方とは?
エアコンのない暑い部屋では扇風機を使うことが一般的だが、涼しく感じるかは湿度による。
湿度の高い環境では汗が気化しづらく、扇風機で風を送ることで汗を乾かして涼しさを感じる。
しかし、暑くて乾燥した環境では扇風機をかけると熱中症のリスクが高まる可能性がある。
暑い部屋にエアコンがないと、次の手段として扇風機をかけようと思うのが普通かもしれません。
でも、扇風機で涼しくなるかどうかは、実は湿度によって決まります。
人間は暑いと汗をかき、その汗が気化するとき体温を奪うので涼しく感じます。しかし、湿度の高い環境では汗はなかなか気化しません。
そうした状態で肌に扇風機で風を送ると、(あるいは、たとえ気温が変わらなくても、少し動き回るだけで)空気の流れが速くなるので汗が乾き、その過程で涼しく感じるのです。
しかし、暑くて乾燥したところで扇風機をかけても涼しくなりません。
それどころか身体に害を及ぼすことさえあります。空気が乾燥しているので汗は既に気化しているからです。
『Annals of Internal Medicine
』で発表された最近の研究によれば、暑くて乾燥した環境で扇風機をかけると不快に感じ、またむしろ熱中症になるリスクが高まることがわかっています。
基本的に、暑くて乾燥しているところで扇風機をかけると、身体に熱風が吹きつけられることになるだけだからです。
もともと気温が高く乾燥したところで暮らしている人には、特に目新しい情報ではないかもしれません。
ですが、高温多湿の気候に慣れた私たちは、乾燥した気候の土地に旅行する際(あるいは、幸運にも突然湿度の低い日に出くわした際)には、扇風機でなく別の方法で涼をとったほうがいいことを知っていると役に立ちます。
──2019年9月9日の記事を再編集のうえ、再掲しています。
Source: ACP, Scietific American
Beth Skwarecki - Lifehacker US[原文]
翻訳:春野ユリ