神格化していたパートナーにはじめて「ムカつく」ことができた…複雑性PTSDとの付き合い方に生じた「変化」

AI要約

複雑性PTSDの治療を受けながら、自己評価の低さや恐怖心に向き合う当事者の物語。

パートナーの知られざる一面を目にして心が揺れ動く様子。

自己解決を試みるものの、苦悩が深まり自傷行為に至る。

神格化していたパートナーにはじめて「ムカつく」ことができた…複雑性PTSDとの付き合い方に生じた「変化」

持続的な虐待やDVなどのトラウマ体験を機に発症することがある「複雑性PTSD」。私は30代にしてようやく自身の病名を知り、治療として「子どもの私(インナーチャイルド)」を癒すインナーチャイルドワークを受け始めた。

その結果、「休みたいのに休めない」という当事者しか分からない複雑な葛藤や2時間メイクをしないとコンビニにすら行けないなどといった悩みは解消されてきたが、人間に対する恐怖心はそう簡単に払しょくできなかった。

だがある日、とある「気づき」を得たことで、目に映る世界がガラっと変わる。

カウンセリングに通い始めて半年以上が経った頃、心が壊れてしまった。きっかけは、一緒に暮らしているパートナーの知りたくなかった一面を見たことだった。

複雑性PTSD当事者は自己評価が低いがゆえに自分を認めてくれる存在を「唯一無二のオアシス」と感じてしまうこともある。過去の恋人とは違い、いつも褒めてくれるパートナーを、私は知らないうちに「神格化」していた。

だから、自分の中にある理想像とかけ離れた一面が彼にあることを知り、強く動揺してしまった。その一面は、人によっては問題だと思えるようなものであったため見過ごすことができず。しかし、これまでに人との話し合いを経験したことがない私は指摘する勇気も出なかった。

問題をどう解決して、心を整理すればいいのか…。悩んだ私はいつもと同じように、ネットの知恵袋で似た状況の人を探し、その問題に対する回答や反応をチェック。そうした世間の声を参考にして、自分が取るべき行動やそれによって起きる可能性があること、問題行動を起こしたパートナーの心理(推測)などを紙に書き、状況を整理。解決法を導き出そうとした。

これは、10代の頃からの癖だ。何かに悩んだ時は誰にも相談せず、自分の考えや待ち受けそうな未来を整理し、一番穏便にいきそうな解決法を選んできた。

だが、今回はいつまで経っても頭が整理されない。急遽カウンセリングに行くも、辛さは緩和されず、久しぶりに自傷行為に走った。三日間、一睡もできなかった。