心臓突然死は年9万人 ミツカン・森永・オムロン・刀らが血圧ケア啓発

AI要約

日本人の健康寿命に貢献するために、ミツカン、森永乳業、オムロンヘルスケア、プリメディカ、新生堂薬局、刀の6社が共同で「PROTECT HEARTS PROJECT」を立ち上げた。

血圧関連の突然死が発生している現状や血圧に対する認識のギャップ、誤った情報の流布が問題とされ、プロジェクトでは啓発活動を通じてこれらを解消する取り組みを展開している。

6社は業界を越えて情報を統一し、リアルな接点での啓発活動やSNSを活用した認知拡大などを通じて、血圧ケアの大切さを訴えていく。各社は個々の特徴を活かしながら、団結してプロジェクトを推進している。

心臓突然死は年9万人 ミツカン・森永・オムロン・刀らが血圧ケア啓発

ミツカン、森永乳業、オムロンヘルスケア、プリメディカ、新生堂薬局、刀の6社は共同で、血圧ケアの啓発活動を通じて日本人の健康寿命に貢献することを目的とした「PROTECT HEARTS PROJECT」を立ち上げる。

交通事故で亡くなる人(約2,600人)の約30倍となる、年間約9万人の心臓突然死が発生しており、血圧と向き合わないリスクは高いという。一方で、高血圧は病院の診断を受ける緊急性を感じにくく、受診の必要があるタイミングと、その必要性を自覚するタイミングにはギャップが発生しやすいという課題がある。

また、薬による治療や血圧に気を使った食事などを始めても続かない人が多いこと、「血圧は下げない方がいい」「薬は飲まないほうがいい」など誤った情報が流布されていることも問題としている。

そこで、刀の呼びかけで、血圧をテーマに事業を展開する6社が業界の枠を越えて連携し、血圧ケアの大切さや日々取り組める身近なアクションの啓発を進めるプロジェクトを始動。事業領域の違う6社が共同で、バラバラではなく、統一したメッセージを届けられる機会を増やし、様々な血圧の段階における適切なアクションに繋げることを目指す。

活動内容は、ドラッグストアなどリアルな接点での啓発活動、SNSなどを活用した認知拡大、血圧に関する誤解や不正確な情報に立ち向かう適切な情報発信の3つ。SNSについては公式Xアカウント(@protect_hearts)を立ち上げる。

プロジェクトでは、食を通して「高めの血圧」に向き合う企業群「TEAM HEALTH」と、疾患のリスク発見~治療に取り組む企業群「TEAM MEDICAL」とで展開。TEAM HEALTHにはミツカン、森永乳業、TEAM MEDICAには刀・イーメディカル、オムロンヘルスケア、プリメディカ、新生堂薬局が参加する。イーメディカルは刀の事業子会社。

ミツカンは血圧が高めの人に適した特定保健用食品(トクホ)のお酢ドリンク「マインズ<毎飲酢>」を展開。森永乳業は、2019年4月にヨーグルトで初となる、1つの商品で血圧、血糖値、中性脂肪の3つの機能性を表示した「森永トリプルヨーグルト」シリーズを発売した。

オムロンヘルスケアは、世界で累計3.5億台の血圧計を販売してきた実績を持つ。血圧はその時の環境や体調、ストレスによって常に変化するものであり、1回の測定結果に一喜一憂することなく、変動と個人ごとの変化の傾向を捉えることが大切であるとしている。代表的な商品としては、日常の血圧測定と一緒に心電図を記録できる「心電計付き上腕式血圧計 HTR-7800T」や、気になった時にすぐに心電図を記録できる「携帯型心電計 HCG-8060T」などがある。

プリメディカは、脳梗塞・心筋梗塞の発症リスクを調べる血液検査「LOX-index」、日本人に特化した腸内フローラ検査「Flora Scan」をはじめとするリスク検査サービスを、全国4,000施設以上の医療機関を通じて提供している。

新生堂薬局は、福岡や熊本でドラッグストアと調剤薬局を展開しており、リアル接点を活かした啓発活動に貢献する考え。ヘルスケアカウンセリングプラットフォーム「健康台帳」を活用し、消費者の性別・年代・健康診断の記録・購入した医薬品や健康食品の購入履歴等のデータを用いた正しい情報、最適な商品の提案を行なう。カウンセリング内容によっては、医療機関を受診することを推奨する「受診勧奨」を行なう場合もある。

イーメディカルは、高血圧・脂質異常症をはじめとした慢性疾患に特化したオンライン診療サービス。刀の森岡氏は、イーメディカルの会員の約8割が「未治療・未継続」だった人であり、会員継続率は約9割となっているとし、多くの人が治療を開始しない、始めても約半数が半年で治療を中断してしまうという課題を克服していると強調した。

PROTECT HEARTS PROJECTでは血圧ケアの啓発活動を進めていくとともに、今後も参画企業を増やしていくことを目指す。