不登校家庭にありがちな親子の「負の連鎖」断ち切ってくれるのは「他人」が吹き込む新しい価値観

AI要約

子どもが不登校になると親の心情が影響し、孤立感や自己嫌悪に陥ることがある。

親の心の状態が子どもに伝わり、一緒に孤立してしまうことも。

失敗体験が積み重なり、親は自己嫌悪に陥りやすいが、新しいアプローチで改善の兆しも見える。

不登校家庭にありがちな親子の「負の連鎖」断ち切ってくれるのは「他人」が吹き込む新しい価値観

 3人の子どもの不登校を経験し、不登校の子どもやその親の支援、講演活動などを続ける村上好(よし)さんの連載「不登校の『出口』戦略」。今回のテーマは「親の視点が変われば、状況も変わっていく」です。

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 前回の記事では、「不登校で選択肢が広がる」ということについてお話をしました。今回は、親の視点が変われば、状況は180度変わっていく、ということについてお話をしたいと思います。

 わが子が不登校になると、自分の子育ては失敗したと自己嫌悪に陥って周りに引け目を感じてしまい、「他の人には知られたくない」「人にも会いたくない」という気持ちになったり、自分やわが子を哀れに感じてしまったりすることがあります。ママ友とも次第に連絡を取らなくなり、気がつけば自分も子どもも孤立していた――。そんなお話もよく聞きます。

 私も、長男が不登校になった当初は近所のママ友に「息子さん、元気?どうしてる?」と聞かれるのがイヤで、人と会わない時間帯に買い物に出かけていました。でも、誰にも会いたくないな~と思っている時に限って、噂好きのママ友に遭遇したりするものですよね。みなさんも、こんな経験はありませんか?

 不思議なのは、親の心の状態が子どもに伝播してしまうことです。以心伝心とはよく言ったものですね。私が人に会うのを避けるようになると、長男もだんだん、外に出なくなっていきました。

 その頃は昼夜逆転になってしまう日もあり、このままずっと部屋にいるだけだと体が鈍ってしまってよくないんじゃないかと思ったので、ランニングに誘ってみました。案の定、拒否されましたが、夜ならどう?と暗くなってから走ることを提案すると、「じゃあやってみる」と長男。家の近所で1キロくらいのランニングを始めました。1日目、2日目と走りましたが、3日目で挫折……。失敗体験がさらに積み重なってしまった、とまたそこで自己嫌悪に陥ったことを覚えています。