娘のスマホ依存症を「解毒」させるまで 母と娘の壮絶な闘いの記録

AI要約

母親が娘のスマホ依存とSNS中毒に対する壮絶な闘いを綴る。

娘の変化、成績の低下、自傷行為などが明らかになる。

娘のセルフィーが記録する負のスパイラルに胸を痛める母親の姿。

娘のスマホ依存症を「解毒」させるまで 母と娘の壮絶な闘いの記録

米国在住のある母親が、中学生の娘のスマホ依存をめぐる壮絶な闘いの日々を、英紙に仮名で寄稿した。成績の低下、繰り返されるウソ、自傷行為、半裸のセルフィー……SNSに溺れてどんどん変わっていく娘に、母親の胸は何度も張り裂ける。

私の娘は、米公衆衛生局長官が精神衛生上の深刻なリスクにさらされていると警鐘を鳴らした子供の一人だ。ソーシャルメディアに浸っている米国の子供たちは、「数十年にわたる社会実験に無意識のうちに参加させられている」という。

娘は中学に入る前、犬の散歩でお小遣いを貯めてスマートフォンを買った。中古のiPhone 13 miniを売買サイトで見つけたのだ。親としては購入を許すことで、良い成績を取ったり、部屋をきれいにしておいたり、ゴミ出しをしたりするモチベーションになればと期待した。

当時の私は、このスマホが娘に及ぼす影響と娘から何を奪うかについて知る由もなかったのだ。

中学校の登校初日、娘が校門をくぐって教室に入っていったとき、私はいつでも連絡が取れることに安心感を覚えた。ほとんどの親と同じように、私はスマホを危険ではなく安全と結びつけていた。

SNSの開発者たちが娘の次のスワイプを操作していることも、彼女の「人間としての未来」が最高入札者に売られようとしていることも、それで人類史上最も裕福な企業が潤っていることも私は知らなかった。

それをようやく理解したのは苦い経験をした後だった。娘のウソやごまかし、成績の低下、そして腕に刻まれたいくつもの自傷痕を通じて、私は現実を知ることになる。

中学1年の頃に学校で撮った写真が娘の「エモ」期をとらえている。羽根のイヤリングにピンク・フロイドのバンドTシャツ、はにかんだ笑顔……。

その無邪気な写真はあっという間にセルフィーに取って代わられた。小さくすぼめた唇にピースサインをあてたセルフィー。首をかしげて顔の半分だけを写したセルフィー。ベッドでのセルフィー。

そのカメラロールには、娘の負のスパイラルが記録されている。泣いているセルフィー、腫れぼったい目のセルフィー、寝室から出られない日のセルフィーといった具合に。