ピカソが舞台・衣装デザインを手がけた傑作バレエ『三角帽子』【クラシック今日は何の日?】

AI要約

マヌエル・デ・ファリャの代表作『三角帽子』について。その初演日やバレエ音楽への変更経緯、そしてバレエ音楽の主要な場面を抜き出した組曲について。

ファリャがスペイン・アンダルシアの民話を題材とした『三角帽子』に、フラメンコや民族的な要素を取り入れた音楽を生み出した背景について。

ファリャが『三角帽子』に対して持つ愛着や熱意、そしてバレエ音楽の創作過程に関わるディアギレフやマシーン、ピカソなどの有名な芸術家たちについて。

ピカソが舞台・衣装デザインを手がけた傑作バレエ『三角帽子』【クラシック今日は何の日?】

難しいイメージのあるクラシック音楽も、作品に秘められた思いやエピソードを知ればぐっと身近な存在に。人生を豊かに彩る音楽の世界を、クラシックソムリエの田中 泰さんが案内します。

今日7月22日は、スペインの作曲家、マヌエル・デ・ファリャ(1876~1946)の『三角帽子』初演日です。

マドリッドでピアノと作曲を学び、フラメンコをはじめとした民族的な要素に深い興味を持っていたファリャの代表作『三角帽子』は、ペドロ・アントニオ・デ・アラルコンによる、スペイン・アンダルシアの民話をもとにした短編小説、『三角帽子』を題材としたバレエ音楽です。

当初パントマイムのための音楽として進められていた作曲は、バレエ・リュス(ロシア・バレエ団)の主宰ディアギレフからの依頼を受けて、バレエ音楽へと変更。振り付けに、レオニード・マシーン、舞台・衣装デザインにパブロ・ピカソという、夢のような顔ぶれによって制作が開始されたのです。いやはやなんとも凄い時代です。

初演は1919年7月22日、ロンドンのアルハンブラ劇場で行われています。この音楽に愛着を持っていたファリャは、後にバレエ音楽の主要な場面を抜き出した2つの演奏会用組曲を生み出します。

一般財団法人日本クラシックソムリエ協会代表理事。ラジオや飛行機の機内チャンネルのほか、さまざまなメディアでの執筆や講演を通してクラシック音楽の魅力を発信している。