日本一の混雑駅・新宿駅を「解剖」して分かったヒミツ

AI要約

新宿駅には、いくつかの改札口が存在し、その歴史や位置関係が紹介されています。

それぞれの改札口は、過去の建築物や地形との関連性も説明され、新宿駅の構造や変遷が垣間見えます。

近年の再開発により、新たな改札口が増設され、新しいアクセスが提供されるなど、新宿駅の進化がうかがえます。

日本一の混雑駅・新宿駅を「解剖」して分かったヒミツ

新宿駅には、いったいいくつ改札口があるのだろう。JRだけ取り出してみても、東改札と西改札、中央東改札と中央西改札、南改札、東南改札、甲州街道改札、新南改札、ミライナタワー改札、と9ヵ所ある。

東改札と西改札は、1925(大正14)年の三代目新宿駅舎完成とともにつくられた連絡地下道の両端部にあった改札口が出発点で、この「北通路」を拡幅のうえ2020(令和2)年7月から入場券のいらない自由通路とした際に設けられた。従前は両端をせき止める形だったのを、通路と並行に改札を置くことで自由通行を可能にしたのである。

中央東改札と同西改札は、「中央通路」の東端と西端にある改札だ。中央通路は、もともと小荷物運搬用だった地下道を1934(昭和9)年から旅客の乗換え用に供したもの。東改札は、東口の駅ビル(ルミネ エスト)の地下1階に直結し、一方の西側はこの先に小田急や京王の乗り場があるため連絡改札と階段が幅をきかせ、JRはいささか肩身がせまい。

南に目を向けると、二代目新宿駅舎の系譜を引き、甲州街道に面した南改札が古株である。その後、商業ビルのルミネ2ができ、1988(昭和63)年10月に現在の東南改札が開かれた。甲州街道は地平から坂をのぼってJRや小田急線を跨(また)いでいるので、これらの改札は地上2階レベル。地平から回り込めば、エスカレーターや階段で上がることになる。

老朽化した甲州街道陸橋が架け替えられたのは、2013(平成25)年3月だった。幅員30mを50mに拡げるため線路上に人工地盤を構築、合わせてバス・ターミナル(バスタ新宿)やJRの高層ビル(新宿ミライナタワー)を建設したのである。これらの完成を機に開かれたのが、甲州街道改札・新南改札・ミライナタワー改札だ。それまでにも暫定的な改札口はあったのだけれど、南口周辺の工事完了によりいまの形に定着した。

甲州街道改札は、南改札の道路(甲州街道)をはさんだ向かい側である。それに対しバスタ新宿の背面、代々木方向を見渡せる位置にあるのが新南改札。目の前にはSuicaのペンギンがオブジェとして置かれた広場が設けられ、高島屋タイムズスクエアとも接続している。そしてバスタ新宿の東側に口を開けているのがミライナタワー改札だ。