あんなに苦しい思いをしたのに…! 胃がん検査は結局「バリウム」か「内視鏡」か

AI要約

胃がん検診の重要性と方法について解説。バリウム検査と内視鏡検査の違いや受診率、検診の結果から見つかる胃がんの数について示唆。

バリウム検査と内視鏡検査の違いや苦労がある点、内視鏡検査のほうが精密で早期発見につながる可能性がある。

胃がんや大腸がん検診は定期的に受けることが大切で、内視鏡検査など具体的な方法を選択すること。

あんなに苦しい思いをしたのに…! 胃がん検査は結局「バリウム」か「内視鏡」か

毎年1回は受けることが義務付けられている職場健診。健診結果の異常を示す「*」がついた数値には、実は気にしなくて良いものもあれば、今すぐに再検査を受けなければならないものもある。果たしてあなたは診断結果の本当の意味を理解しているだろうか。

BMI・血圧・尿糖・眼底など項目別にその検査結果の正しい見方を解説した『健診結果の読み方』(永田宏著)より一部抜粋してお届けする。

『健診結果の読み方』連載第44回

『「検便」の真実…毎年やらされる検便、要再検査で実際に大腸がんが見つかる割合とは!』より続く

対策型の胃がん検診は、50歳以上を対象に、原則として2年に1度のタイミングで受けることが推奨されています。

胃がん検診といえば、以前はバリウム検査が定番でした。いまはバリウムと内視鏡のどちらかを選べるようになっています。市町村が行う胃がん検診の個人負担は、バリウムが1500円、内視鏡が4000円です。ただし会社が行う場合は、費用は全額会社持ちのことが多いようです。

受診率(40~69歳)は「国立がん研究センター・がん情報サービス」によれば、2022年において、男性47.5パーセント、女性36.5パーセントだったそうです。

日本医師会のホームページによると、受診者1万人当たり、要精密検査は652人、実際に胃がんが見つかったひとは12人ということです。大腸がん検診とだいたい同じような数字になっています。

バリウム検査では、まずバリウムの入った白いドロッとした液体を飲み、続いて発泡剤を飲んでから、検査台に乗ります。胃が空気(二酸化炭素)でパンパンになった状態で、検査が始まります。受診者はゲップを我慢しながら、技師の指示に従って、体を傾けたりよじったりしなければなりません。また台自体が縦横斜めに傾いたりもします。かなりの苦行です。

検査中はずっとX線で撮影が行われているため、放射線被ばくも少なからずあります。しかも検査後は、バリウムを出すために下剤を飲まなければなりません。ときには腸のなかでバリウムが固まってしまい、腹痛に襲われることもあります。

内視鏡は直径1cmほどのものを、口から挿入します。その際、咽頭反射(オエッというやつ)が生じるので、検査前にのど麻酔を行う必要があります。人間ドックなどでは、鼻から入れるタイプの、もっと細い内視鏡を使っています。口からのものより断然楽だと評判です。

また精神安定剤を打って、ウトウトしている間に検査を済ませてしまうこともあります。しかし対策型の検診では、そこまで丁寧にやってくれないので、内視鏡で苦しい思いをしたひとのなかには、二度とごめんというひとも大勢います。