「お店で飲む9割のビールは死んでいる!?」ビール店経営者が教える、おいしく飲むためのルールとは

AI要約

ビールは世界で3番目に飲まれている飲料であり、多くのお店で提供されるビールが本来のうまさを失っていることが指摘されている。

ビールの味が保たれるかどうかは、ビールグラスの洗浄やビールサーバーのメンテナンスなど、細かな要素にかかっている。

ビアガーデンなどで良質なビールを楽しむためには、事前に口コミ情報を確認することが大切であり、泡の状態やグラスの清潔さなどに注目することが提案されている。

「お店で飲む9割のビールは死んでいる!?」ビール店経営者が教える、おいしく飲むためのルールとは

文/鈴木拓也

少なくとも5千年前から愛飲されていたともいわれ、水、お茶に次いで世界で3番目に飲まれている飲料とされているビール。

日本でも、居酒屋で「とりあえずビール」と注文される超定番であることに異論はないだろう。

ところで、お店で出されるビールのほとんどが、本来のうまさが失われていると聞いたら驚くのではないだろうか。

「お店で飲む9割のビールは死んでいる」

こう言うのは、(株)PERFECT BEER代表取締役の藤沼正俊さん。ビアパブやビアガーデンを複数店運営する若手起業家だ。

藤沼さんは、主要ビールメーカーが製造するビール自体はおいしいものだとしている。しかし、飲食店で提供する段になって、ほとんどがそうではなくなっている(死んでいる)と力説する。

さらに、著書『パーフェクトビアの社長が教える ビールを最高においしく飲むためのルール』(春陽堂書店)の冒頭で、藤沼さんは、次のようにも記している。

<そうした事実はあまり知られておらず、「これがビールの味なんだ」と誤解している人も多いです。その結果、「自分はビールがあまり好きではない」「どちらかというと苦手」「最初の1杯だけつきあいで飲んでいる」という人も少なくありません。(本書3~4pより)>

この発言は、ビール党にはちょっとした衝撃だが、明確な理由がある。

藤沼さんは同書のなかで、その理由として、多くの飲食店ではビールグラスの洗浄やビールサーバーのメンテナンスが、しっかりなされていない点を挙げる。

意外に聞こえるが、これができていない場合、「苦味や雑味が強く、ひどい場合には酸っぱいにおいのするビールが提供される」としている。

「そんな簡単な話なの?」と思ったが、多くのお店は、日常の運営に追われてそこが疎かになっているそうだ。また、ビール本来の味が保たれるかどうかの決め手として、鮮度管理や樽のガス圧管理なども挙げる。これが徹底されているかが、うまさの分かれ目になるという。

では、「みんなでビアガーデンに行こう」となったとき、そのあたりを事前に確認する方法はあるのだろうか。

藤沼さんは、グルメサイトの口コミ情報でわかるという。チェックすべきは、ビールの投稿写真。そのなかでも、グラスに注がれているビールの泡に注目する。それが、「見るからにきめが細かく、かつクリーミー」であれば、ひとまず合格。また、飲み終わった状態のグラスも見て、間隔をおいて泡の跡がリング状(エンジェルリングと呼ぶ)に残っているかもポイント。エンジェルリングがあれば、ビールは適温、グラスは清潔、注ぎ方も申し分なしと判断できるそう。