フリマアプリで稼ぐ50代増加 捨てられない品々 今ではお宝

AI要約

50代以上の世代が増えるフリマアプリでの売買が注目されている。

ため込まれた品々は高い価値があり、特にレトロなアイテムが人気だ。

60代以上は生前整理を通じて不要品を処分し、社会とのつながりを感じている。

フリマアプリで稼ぐ50代増加 捨てられない品々 今ではお宝

 幅広い世代へのスマートフォンの普及を背景に、メルカリなどのフリマアプリで不要品を売買する50代以上の世代が増えている。昭和と平成を駆け抜けたこの世代が捨てられずため込んでいた品々は価値が高く、フリマ市場で重宝されているようだ。(山岸洋介)

■ため込まれた財宝

 メルカリによると、50代以上の利用者は2013年に全体の8%だったが、22年には23%に拡大した。同社は「スマホの普及に伴いネットショッピングの需要が増し、フリマアプリ利用も伸長したことが考えられる」としている。

 加えて、メルカリ歴10年の達人、川崎さちえさんは「その世代は、使わないものを捨てられず、ため込んでいたイメージがあります。簡単に売買できるツールもなく、売りにくい時代を歩んできましたが、今は手間がかからなくなった」と指摘する。

 23年のメルカリの調査では、50~60代の夫婦2人世帯の「かくれ資産」は約132・4万円で、20~30代夫婦2人の約79・4万円、夫婦と子ども(15歳未満)の3人の64・3万円と比べて格段に高い。

■レトロがキーワード

 川崎さんは50~60代の家庭にありそうなお宝として、女性ものでは「ブランド品」を挙げる。古くて流行遅れのデザインでも売れるといい、「バブル時代のバッグなどは今は買えないから、逆に新しい」。男性ものでは「コレクション品」を勧め、プロ野球カードや鉄道模型などがよく売れるという。

 川崎さんは「キーワードは『レトロ』。昭和や平成初めのなんとなく古めかしいデザインが、若い人には新鮮に見えるようです。『古くて価値がない』と思いがちですが、発想を変えれば『とても手に入りにくいもの』です。商品説明に『レトロ』『レア』という言葉を入れれば、若い利用者に見つけてもらえる可能性も広がります」

■シニアがハマる理由

 60代以上では、生前整理の一環で不要品を出品する人も増えている。メルカリで「生前整理」をキーワードに出品リストを表示すると、年代物のネックレス、置物、ブローチ、腕時計などが際限なく並ぶ。

 メルカリの調査では、利用目的について60代は「お金を得る」よりも「不要品の処分」と答える人が圧倒的に多く、川崎さんは「売買を通じて社会とのつながりを感じられることも、シニアがハマる理由です」と話す。