一度は見たい! 高山植物に彩られた「花の百名山・栗駒山」の絶景! 登山レポ

AI要約

栗駒山は花の山としても知られ、初夏には多彩な花が咲き誇る。須川高原温泉から産沼コース、天馬尾根コースを訪れ、美しい花々を楽しんだ。

登山道脇や湿原にはイワカガミやウラジロヨウラク、ワタスゲなどが咲き、心を癒やす景色が広がる。

山頂付近ではコバイケイソウやハクサンチドリなど夏の花々が咲き始め、盛夏へと移り変わっていた。

一度は見たい! 高山植物に彩られた「花の百名山・栗駒山」の絶景! 登山レポ

 秋田、岩手、宮城の県境に位置する栗駒山(くりこまやま・標高1,627m)は、紅葉の名所として知られているが、花の山としても人気があることをご存じだろうか? 花の百名山に選定されており、初夏にはイワカガミやタテヤマリンドウやヒナザクラなどが咲き誇る。そこで、今回は初夏に花見登山として訪れた様子をレポートする。花盛りの栗駒山の美しさをとくとご覧いただきたい。

 今回利用したのは岩手県側の須川高原(すかわこうげん)温泉から登る産沼(うぶぬま)コースと、秋田県側に下る天馬尾根(てんまおね)コースである。

 筆者が訪れたのは、2024年6月15日。朝9時ごろに登山を開始し、ほかの登山者たちも続々と登り始めていた。登山口のすぐそばには須川高原温泉があり、登山道脇から温泉が流れているのが見える。流れている温泉から湯気が立ち昇り、辺りは硫黄の匂いが漂っていた。

 なだらかな坂を登っていると、登山道脇にイワカガミやウラジロヨウラクが咲いていた。イワカガミは、小さな円形のブラシのような花をつけ、薄ピンク色に染まっている。ウラジロヨウラクは、釣鐘状のピンク色の花がいくつもついている。風に揺られ、風鈴のようにたなびく姿がなんとも癒される。

 歩き始めて約20分で、名残ヶ原(なごりがはら)と呼ばれる湿原に出る。湿原のなかには、白くて丸いポンポンのような高山植物、ワタスゲがたくさん咲いている。緑の湿原に白のワタスゲが群生している光景はとても風情があり、心安らぐ空間を醸し出していた。

 ワタスゲに混じってイワイチョウも咲いている。可愛らしいワタスゲとは異なり、イワイチョウには凛とした美しさがある。

 名残ヶ原を過ぎると、本格的な登りが始まる。樹林帯のなか、足元に目を向けるとツマトリソウが咲いている。パッときれいに花びらを咲かせたツマトリソウは、可憐さや気品が感じられる。

 登山口から歩いて約1時間半、2本の短い沢を渡った先に産沼(うぶぬま)に到着した。6月の産沼はまだ半分雪に覆われており、夏ながらも涼しさが感じられた。

 産沼からさらに登っていくと、植生が低木帯に変化している。辺りを見回すと、足元にミツバオウレンが咲いているのを見つけた。さらに、コバイケイソウやハクサンチドリが咲き始めており、盛夏への移り変わりが見られた。