受験で予想外の不合格...10代が挫折を乗り越えるための禅の言葉

AI要約

小学校から勉強ができると言われた幼少期から高校受験での不合格ショックを受ける主人公の心情が描かれています。

合格者と非合格者の間での微妙な違いや主人公の自己評価と周囲の期待に悩んでいる様子が描写されています。

受験における不合格という試練を通じて、主人公が抱く苦悩や悔しさがリアルに描き出されています。

受験で予想外の不合格...10代が挫折を乗り越えるための禅の言葉

人生をかけて臨んだ受験で、まさかの不合格だったら……考えたくもありませんが、人生は時にこういった試練が起こるものです。

辛い挫折を経験した10代に贈りたい禅の言葉を、書籍『ZEN(禅)スタイルでいこう!』よりご紹介します。

※本稿は、石井清純監修、水口真紀子編著『ZEN(禅)スタイルでいこう!』(キーステージ21)から、一部抜粋・編集したものです。

小学校のころからなぜか物覚えがよくて、勉強ができる子といわれた。ほめられるとうれしくって、もっともっと勉強してほめられようとして、いつしかガリ勉呼ばわりされてた。

まあ、ガリ勉は間違いではないんだけど、周りのみんなは僕が根っから勉強好きで、すぐになんでも覚えられるんだろうみたいなことを言う。そんなわけないだろ。僕だって「転落」するのが怖くて、日々努力を続けてるんだ。

いよいよ、高校受験の合格発表当日。

模試では第一希望から第三希望まで、全部の学校にA判定が出ているから、きっと大丈夫なんだろう。合格できるはずだと思っていても、やっぱり不安が募る......。

学校の敷地内は歓喜の叫び声やら、泣きながら抱き合う親子がにぎやかにやってる。もちろん、暗い顔して出ていく人もいる。自然と自分の足も速くなる。

お、陽向ちゃん発見! 一足早く着いたんだ。一緒に合格してたらいいな。

「おはよう。陽向ちゃんの番号はあった? なんか浮かない顔してるけど」

「うん、私の番号はあったよ。あったんだけどね...」

自分の番号はあったんだけどね...って何? 僕の番号は...?

...目の前が真っ暗だ。僕の前の番号と、三つ後の番号がある。その間がない。つまり僕の番号はないってこと? なんで? なんでないの? 僕の番号...。

きっと学校の連中はみんなびっくりするだろう。元輝が不合格だったって。僕より成績が下だった三人がみんな合格したのに、一番だった僕だけが落ちた。

今日は何年ぶりか、泣き叫ぶしかない。