電動自転車のバッテリーが発火・爆発…なぜ。掃除機やスマホも注意、建物が全焼した被害も

AI要約

リチウムイオンバッテリーが「非純正」であることが原因で、様々な機器がバッテリー発火事故を起こしている。

NITEによると、2014年から23年までの10年間で計235件の非純正バッテリーによる事故が発生し、多くは火災であった。

事故の多くは充電中に起こり、非純正バッテリーの使用期間が1年未満のケースが半数以上を占めている。

電動自転車のバッテリーが発火・爆発…なぜ。掃除機やスマホも注意、建物が全焼した被害も

電動アシスト自転車、充電式掃除機、スマホ、PC……。これらに搭載されたバッテリーが突然発火する事故が相次いでいます。

原因は、リチウムイオンバッテリーが「非純正」であること。ネットでも簡単に取り寄せることができますが、なかには建物が全焼する火災になったケースもありました。NITE(製品評価技術基盤機構)が公開した実験映像には、電動アシスト自転車のバッテリーが充電中に「爆発」する様子が映っていました。

NITEの発表資料によると、2014~23年の10年間に発生した「非純正バッテリー」による事故は計235件。

最も多いのは、「充電式電動工具」(103件)で、「充電式掃除機」(97件)、「スマホ」(12件)、「ノートパソコン」(12件)、「玩具」(4件)、「電動アシスト自転車」(3件)、「その他」(4件)の順となっています。

また、235件の事故のうち、97%にあたる227件が火災でした。

そのうち、建物の全焼につながった火災は14件に上り、バッテリーから噴出した炎でやけどをしたなどの人的被害も13 件発生しています。

事故が発生した際の状況は、「充電中」が182件と最も多く、「保管中」が26件、「使用中」が10件などと続きました。また、事故発生時の非純正バッテリーの使用期間は「1年未満」が125件と半数超を占める結果となりました。

実際に起きた事故は次の通りです。

「兵庫県で2019年4月、ネット通販で購入した電動アシスト自転車用のバッテリー(非純正)を充電していたところ、出火し、床を焼損した。非純正バッテリーの内部で短絡が生じ、異常発熱したものとみられる」

「兵庫県で2023年9月、ネット通販で購入した充電式掃除機用のバッテリー(非純正)を掃除機に取り付けたまま保管していたところ、突然作動するとともに出火した。非純正バッテリーの安全保護装置が異常発熱し、出火したものと考えられる」