年収1,200万円の59歳サラリーマン、年金機構から届いた〈青色の封筒〉に唖然…思わず「なにかの間違いでは」【CFPの助言】

AI要約

親世代の年金受給額を知ると、「自分たちはたったこれだけしかもらえないのか」と不満に感じる人も多いでしょう。

年金制度は頻繁に改正がされ、複雑化してきています。老後に備えるにあたって、その仕組みを理解するのは難しいところもあるでしょう。

「ねんきん定期便」を活用することで、自身の加入記録や受給額などを確認し、年金について対策を考えることが重要です。

年収1,200万円の59歳サラリーマン、年金機構から届いた〈青色の封筒〉に唖然…思わず「なにかの間違いでは」【CFPの助言】

親世代の年金受給額を知ると、「自分たちはたったこれだけしかもらえないのか」と不満に感じる人も多いでしょう。特に、高所得な人ほど、現役時代の収入と年金額の差に落胆してしまいます。では、60歳を目前にして年金受給額を増やすことは可能なのでしょうか? 株式会社よこはまライフプランニング代表取締役でCFPの井内義典氏が解説します。

年金制度は頻繁に改正がされ、複雑化してきています。そのため、老後に備えるにあたって、その仕組みを理解するのは難しいところもあるでしょう。

そこで確認しておきたいのが「ねんきん定期便」です。「ねんきん定期便」とは、国民の年金制度に対する理解深耕を目的に、日本年金機構などが発行しているもので、毎年誕生月に届きます。通常はハガキ形式ですが、35歳と45歳、59歳の節目には青い封筒で送られてきます(日本年金機構の場合)。

「ねんきん定期便」では、自身の加入記録を確認することができるほか、受給できる年金の種類やおおよその見込額を把握できます。定期便に表示される見込額を見て、「年金が少ない」と思った場合、対策を講じることも大切です。

役員への昇進叶わず…60歳から年収が半分以下に

上場企業で部長を務めるAさん(59歳・男性)。ストレートで大学を卒業したAさんは入社以来出世意欲も高く、仕事中心の生活を送ってきました。その分、家庭のことは1歳年上で専業主婦の妻・Bさんに任せっきりです。

しかし、Aさんの思いむなしく役員への昇進見込はなくなってしまい、60歳になる8月からは関連会社で勤務することになりました。これまでの年収は1,200万円程度でしたが、60歳からは約550万円と半分以下になる見込みです。

「役員になってできるだけ長く会社にいるつもりで頑張ってきたが……あと5年もすれば退職、会社員生活も終わりだな」と悟るAさん。「550万円まで給料が下がるんだったら、働く必要あるのか? いっそのこと、60歳でリタイアもありだな」とさえ思うようになりました。

これまで仕事のことばかり考えてきたAさんですが、ここに来て初めて自分の老後について思いを馳せました。「そういえば、年金っていくらぐらいもらえるんだっけ?」と思ったAさんは、今年の誕生月に年金機構から送られてきた青い封筒「ねんきん定期便」を改めて確認してみました。