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子どもへの読み聞かせは1日何冊が良い? 絵本の専門家・ふわはねさんに聞いてみた
絵本に囲まれて育ったふわはねさんが絵本講師として活躍するきっかけや、子育て中に心掛けていた優しさについて語っています。
子どもと絵本を通じてコミュニケーションを取りながら成長を見守る喜びや、印象に残る絵本の一つである「いっしょに うたって!」についても語られています。
家族関係でも仕事でも、相手との関係性を大切にし、嘘をつかない信頼関係を築くことが重要だと語られています。
![子どもへの読み聞かせは1日何冊が良い? 絵本の専門家・ふわはねさんに聞いてみた](/img/article/20240621/6674ea11adbcf.jpg)
子どもの心の成長にかかせない絵本。
しかし、「まいにち読んであげなきゃ」「1日○冊は読まないと」と、日々の読み聞かせがプレッシャーになってしまっているママ・パパも多いのではないでしょうか。
絵本講師として、そして2人の娘さんのお母さんとして、今までたくさんの絵本の読み聞かせを行ってきたふわはねさんに、思い出の絵本や、絵本の読み聞かせの際に心掛けたいことなどを教えていただきました。
――「絵本のつなぎて」として幅広く活動中のふわはねさんですが、絵本や本屋さんといったものに興味を持たれたのはいつからですか?
本は子どものころから好きでした。
私の父は今85歳なんですけど、未だに毎日図書館に行くほど本が好きな人で。父の書斎や部屋には、いつも沢山の本があったんです。
私は父の部屋で図鑑や百科事典などを、パラパラめくって楽しんでいるような子どもでした。そういう意味では、本に囲まれて育ったのかもしれません。
ただ、絵本を読んでもらっていたという記憶はあまりなくて。
今、絵本の活動をしていても思うのですが、絵本って現物がそこに残ってないと、記憶にも残りにくいものだと思うんです。読んでもらった思い出と共に、本棚の中に絵本がある大切さを思います。
――では、絵本を仕事にしていこうと思われたのは、何がきっかけだったんでしょうか?
もともと子どもが好きだったので、子どもに携わる仕事がしたいと思ったのと、やはり本が好きだったこともあり、大学では児童文学を学んでいました。
卒業後は児童文学と関係のない職に就いたのですが、「子どもと携わりたい」という気持ちはずっと持っていて。結婚して子どもが生まれた1年後くらいに、たまたま新聞で絵本講師一期生の募集の記事を見かけて資格を取りました。それが現在の仕事に繋がっていると思います。
――お子さんが生まれる前と後で、絵本への関わり方は変わりましたか?
そうですね。読み聞かせの中で子どもとコミュニケーションを取ったり、反応や成長が見えることに、絵本の面白さや、力を感じるようになりました。
――著書『えほんとりっぷ 全国絵本屋さんめぐり130軒』の中で、お子さんに読んだ絵本の話が出ていましたが、それ以外で特に印象に残っている絵本はありますか?
印象に残っているのは『いっしょに うたって!』(ましませつこ絵/こぐま社)という歌の絵本です。1ページごとに童謡の絵、歌詞、楽譜が載っていて、いつも子どもたちと一緒に歌っていました。
最初は絵本を開き一緒に歌っていたのが、そのうち子どもたちだけでページをめくって歌い出すようになりました。ピアノを習い始めると、絵本の中の楽譜を見ながら自分たちで曲を弾くようになって……。1冊で長い期間楽しめて、子どもたちの成長を見ることができた印象的な本でした。
今は2人とも大学生なんですが、音楽は続けていて、上の子は市の楽団に所属しハープや打楽器を、下の子は大学で吹奏楽部に所属しユーフォニアムを吹いています。
――2人のお子さんを育てる中で心掛けていたことを教えて下さい。
実際にできているかはわかりませんが、「優しくありたい」とは常に思っていました。
子どもが困ったときに相談できる親でありたかったので、子どもが失敗したり忘れ物をしても、頭ごなしに叱らないように心がけていました。
親が子を助けられるのは今だけだと思っているので、子どもから頼まれたことに対しても、できる限り応えるようにしています。
親が厳しすぎると子どもは自分を守ろうと嘘をつくと思っていて。自分の経験も含め、子どもにとって嘘をつかなくてよい相手でありたいなと思っています。
仕事でもそうですが、家族関係でも交渉の余地のある、相談のできる関係性が大切だと私は思っています。