移植断念「韓国なら大問題」、あっせん機関トップ語る…人口あたりの臓器提供者数は日本の10倍

AI要約

韓国の臓器あっせん機関「韓国臓器組織寄贈院(KODA)」のトップが、日本の臓器提供の問題についてコメント。

日本の移植施設での臓器受け入れ断念例が続いており、韓国では同様の問題が起きると深刻な影響があるとの警告。

韓国では脳死下の臓器提供を認める法律があり、脳死下臓器提供者数は日本の10倍となるなど、積極的な取り組みがされている。

 脳死下の臓器提供者数が人口あたりで日本の10倍にのぼる韓国の臓器あっせん機関「韓国臓器組織寄贈院(KODA)」トップの李三悦(イサムヨル)院長が、読売新聞のインタビューに応じた。日本の移植施設で人員や病床の不足などにより、脳死者から提供された臓器の受け入れを断念する例が相次いでいる問題について「韓国で同じようなことが起きれば、非常に大きな問題になる」との認識を示した。(ソウルで、余門知里)

 1月1日の読売新聞報道を受けた日本移植学会の緊急調査では、国内有数の移植手術の実績を持つ東京大、京都大、東北大の3大学病院で2023年に計62件の受け入れ断念例があった。

 先月29日のインタビューで李院長は、韓国での臓器あっせんについて、「医学的に悪い状態の臓器を除けば、全ての病院でほぼ受け入れている。移植手術には積極的だ」と説明した。

 韓国は、脳死下の臓器提供を認める臓器移植法が00年に施行された。11年、脳死の可能性がある患者の情報について、医療機関からKODAへの通報を義務化した。通報した医療機関にKODAからコーディネーターを迅速に派遣し、家族への説明や手続きを一手に引き受けるなどの支援策も整えて、提供件数を伸ばしてきた。

 世界保健機関(WHO)などの22年集計では、人口100万人あたりの脳死下臓器提供者数は韓国は7・89人と、日本(0・74人)の10倍だった。