「階段で息切れする老人」にならない方法とは?70歳からの運動で薬いらずの生活に変化した女性の想い

AI要約

ジョーン・マクドナルドは71歳でエクササイズを始めて1年経っていた頃、90kgのヒップスラストをする動画が拡散され、多くの人々の心を動かす存在となった。

ジョーンは偉業を遂げ、180万人のフォロワーを持つインフルエンサーとして活躍。自己啓発書を出版し、多忙な日々を送っている。

ジョーンの変化は健康面でも顕著であり、ワークアウトの結果、薬を1つも飲む必要がなくなった。彼女の活動は多くの人々に勇気と希望を与えている。

「階段で息切れする老人」にならない方法とは?70歳からの運動で薬いらずの生活に変化した女性の想い

2018年2月、柔らかそうな白髪をキレイにカールさせ、険しい顔で90kgのヒップスラストをする女性の動画が拡散された。

「間違っているところはたくさんあると思うけれど、みんなは『その調子』と言ってくれる」というキャプションにある“みんな”とは、彼女を見守っているトレーナー陣のこと。この動画が12万3000回近く再生されて、700件以上のコメントをもらっていることからも、この女性の偉業が人々の心を動かしたことは明らか。アメリカ版ウィメンズヘルスから詳しく見ていこう。

この女性の名はジョーン・マクドナルド。当時は71歳で、エクササイズを始めてから1年しか経っていなかったというから驚き。

ジョーンの娘のミシェルが母親の取り組みを共有し、自分の目標に対する責任感を養うために趣味で作ったインスタグラムのアカウント(@trainwithjoan)にはファンが殺到。あれから4年経ったいま、カナダ出身のジョーンは180万人のフォロワーを持ち、自己啓発を兼ねた自伝『Flex Your Age: Defy Stereotypes and Reclaim Empowerment』を出版し、ワークアウトチャレンジを率いているかと思いきや雑誌の表紙にスポーツブラで登場し、デッドリフト80kgをクリアするスーパーウーマンとして多忙な日々を送っている。自己紹介には「1人でも多くの人を勇気づけることが私の使命」という一文が。

ひと晩でインフルエンサーになる前のジョーンは無気力で、高血圧、高コレステロール、胃酸の逆流の薬を飲む70代のシニアだった。ときどきボーリングをするくらいで、転ぶことも数知れず。「体の調子が悪かったのは間違いないです」と語るジョーンは、2014年にヒザの置換手術も受けている。

フィットネスは昔から、間接的な意味でジョーンの人生の一部だった。というのも、現在は『The Wonder Woman』というプラットフォームで栄養管理指導をする娘のミシェルが幼少期にフィギュアスケートをしていたから。でも、ジョーンがウエイトを持ち、マシンに触れる決意をしたのは、ミシェルに“衝撃的なこと”を言われ、自分の母親が階段の上り下りでゼーゼー言っているのを見たときだった。

あれは忘れもしない2016年12月。ジョーンは娘に『他の人と同じように年を取る必要はないんだよ』とズバッと言われた。

夫と一緒にトゥルムで暮らすミシェルは、トゥルムから遠いカナダのオンタリオとメキシコのサン・ミゲル・デ・アジェンデで2拠点生活をしているジョーンが介護施設に入ったら、あまり会いに行けないという現実をハッキリと口にした。「自分の母親がそうだったんです」と、ジョーンは声を震わせる。彼女の母親は病気を患い、介護施設で亡くなった。

あんな風に人生を終えたくない。ゆっくりと苦しみながら死ぬなんて恐ろしい。そう思ったジョーンはミシェルに「分かった、やってみる」と言って、自分を変える決意をした。

認定ストレングス&コンディショニングスペシャリストでもあるミシェルが作ったワークアウトのPDFを印刷し、YouTubeでワークアウトの動画を観るためにiPadも買った。「重度の胃酸の逆流で、ワークアウト中はしょっちゅう喉が詰まっていました。あれは本当に辛かった」とジョーン。「そこでやめることもできたけれど、やめなかった。もっと成長したかったんです」

2018年10月には薬を1つも飲む必要がなくなった。地元のジムの会員になり、鍛え上げられた背中、筋力やスキルを褒められるようになった。

ジョーンには、ジムや初めてのアクティビティを恐れる人の気持ちが分かる。「人にジロジロ見られるのがイヤで運動をしない人は多いと思います。でも、みんな自分のことで忙しすぎて、本当に人のことなど気にしていません」 

80歳を目前にしたジョーンは、これまでの人生で一番元気。熱烈なファンからは毎日のように感謝の言葉が寄せられる。「ご両親のために私をフォローしている人が多いですね」

その中には、アルツハイマー病の母親がジョーンから良い刺激を受けて、タンパク質が豊富な食事を提供し、運動を奨励する質の高いスタッフがいる介護施設に入ったと言ってくれた人もいる。年末には母親の様子を知らせる手紙をくれた。「ドアノブが回せるようになりました。2ブロック先まで歩けるようになりました。日に日に強くなっています、と書いてありました」

joan macdonald

CALEB & GLADYS

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インターネットで注目を浴びることにはデメリットもあるけれど、ジョーンは正味プラスと考えている。典型的な(若い)フィットネスインフルエンサーをチェックすることも、彼女たちと自分を比べることもない。「自分を人と比べることはできません。私たちはみなユニークな存在ですから。自分が全力を尽くしていれば、他の人が何をしていても関係ありません」

今年に入ってから行われたアメリカ版ウィメンズヘルスのカバー写真の撮影では、自分より40歳くらい若いフィットネス業界のプロたちを前にして、こう言った。「私たちには、フィットネスで人は変わるという共通の認識があるようです。やり方は1人ひとり違っても、人々に力を取り戻させるという目的は同じです。自分の人生は自分でコントロールできたほうがいいですからね」

※この記事は、アメリカ版ウィメンズヘルスから翻訳されました。