新たな登竜門「文学フリマ」活況 作者との距離感 人気 「もっと新規参加を」 現着しました!

AI要約

文学フリマはプロだけでなくアマチュア作家が自由に作品を出品できるイベントであり、作者との距離感を楽しめる魅力がある。

イベントでは俳句や同人誌などさまざまなジャンルの作品が展示され、新人作家が注目される機会となっている。

参加者は自身の作品を展示し、交流を深めることで文学を広げる活動に取り組んでいる。

新たな登竜門「文学フリマ」活況 作者との距離感 人気 「もっと新規参加を」 現着しました!

小説やエッセー、短歌などさまざまなジャンルの文学で、プロだけでなくアマチュアでも自身の作品を自由に出品できるフリーマーケットがある。全国各地を巡回して開かれる「文学フリマ」だ。新人作家が一躍、全国に名前をとどろかせた実績もあり、文壇や文学ファンなどから多くの注目を集めている。そんな催しが都内で開かれることから、俳句を愛好し「文学ファン」を自認する記者が、さっそく取材に赴いた。

訪れたのは5月に東京流通センター(大田区平和島)で開かれた「文学フリマ東京38」。開場前から長蛇の列ができ、来場者の期待の高さをうかがわせた。中に入ると約2千ものブースが展示スペースを埋め尽くし、多くの来場者が行き交う圧巻の光景だった。

作品のみならず、文学に関係するグッズ販売やノベルティー配布などもできることから、出品者らが趣向を凝らすこのイベント。魅力はやはり作者との距離感の近さにあるようだ。実際に作者の顔を見て話ができるほか、購入した本にサインをもらったり、即興で創作するなどの場面に出合えたりすることもあるのだ。

■「俳句盛り上げたい」

「俳句を知らない人にも軽い気持ちで見てもらえる空気感を作りたい」

詩歌コーナーでは、個人としては今回が初の出店だという神奈川県の会社員、黒岩徳将さん(34)がこう話し、目を輝かせた。来場者に手製の俳句の書かれたおみくじを配って客を呼び込みつつ、最近出版したばかりだという句集を販売。用意していた40部は夕方ごろには完売し、「思っていた以上に売れた。次回も参加し、もっと俳句を盛り上げていきたい」と手ごたえをつかんでいた。

女性同士の恋愛をテーマとする同人誌を展示するブースも来場者の目を引いていた。女子大学生、雨霧あめさん(21)も、同ブースで作品を販売していた。

《春苺(いちご)同じ臓器を持っている》

雨霧さんの一句だ。イチゴを一緒に食べる相手が自分と同じ空間を共有するだけではなく、持つ臓器も同じだと気付く独特の感受性。「多くの人に作品を読んでほしかった。他の人たちとの交流を広げたい」。出品の狙いをこう話した。

■出品通し全国区に