元北青鵬の暴力事件でアマ相撲界に〝風評被害〟 ある指導者「純粋に生活しているのに…」

AI要約

元幕内力士の暴力事件により、アマチュア相撲の指導者たちが風評被害を受けている。

日本相撲協会が暴力事件再発防止のための研修会を開催し、アマ相撲の現場にも悪影響が広がっていることが示唆されている。

将来性豊かな若者が肩身の狭い思いをしないためにも、相撲協会は暴力根絶に向けた取り組みを行わねばならない。

元北青鵬の暴力事件でアマ相撲界に〝風評被害〟 ある指導者「純粋に生活しているのに…」

 大相撲の宮城野部屋に所属していた元幕内北青鵬の暴力事件を受けて、アマチュアの指導者から〝風評被害〟を訴える声が上がっている。

 モンゴル生まれの北青鵬はおととし7月から1年以上にわたり、後輩力士2人を日常的に暴行。悪質行為も判明し、同協会から「引退勧告相当」と判断された。師匠だった宮城野親方(元横綱白鵬)の指導も問題視され、部屋も当面の間、閉鎖される最悪の事態となった。

 日本相撲協会は、6日に暴力事件の再発防止のため、都内の両国国技館で親方や力士ら約900人が参加した研修会を開催。精神科医が突発的な怒りをコントロールする方法などを講演した。二度とこのような事件を起こさないことが重要なのは間違いないが、すでにアマ相撲の現場にも悪影響が広がっていた。

 ある指導者は「こっちはモンゴルから来た高校生と同じ屋根の下で暮らして、本当に息子のように育てている。だけど、こういう不祥事の報道が出ると『この高校も、北青鵬みたいな力士を育てているのか』みたいに言われることがある。モンゴル出身の子イコール北青鵬みたいになっている」と明かした。

 プロ入りを夢見て来日し、真面目に暮らす学生がほとんど。同指導者は「その高校生は、1年で日本語を覚えてひらがなが書けるようになったり、日本食も食べられるようになったり純粋に生活している。その高校生が『プロに行きたい』と言っているから、こっちも応援しているのに」と不満をあらわにした。

 将来性豊かな若者が肩身の狭い思いをしないよう、相撲協会は暴力根絶を果たせるか。