【ジャパニーズモダンの傑作5選】機能美の極致。籐の名品スツールをわが家へ

AI要約

渡辺力による名作椅子「トリイスツール」の魅力と歴史について紹介。

竹を使った柔らかい素材と独自のデザインが特徴で、日本人初の金賞受賞作品。

低コストで機能美を追求した「ヒモイス」と並ぶ渡辺力の代表作。

【ジャパニーズモダンの傑作5選】機能美の極致。籐の名品スツールをわが家へ

美しい造形美に、快適な座り心地......。たった一脚でも、住まいを洗練の空間へと昇華させてくれる「名作」と呼ばれる美しき椅子を厳選紹介。今回は、日本のデザイン界を代表する巨匠が手がけた名作椅子をピックアップ

 ベルリンの「馬蹄型集合住宅」など、20世紀を代表するドイツの近代建築家、ブルーノ・タウトに師事し、ジャパニーズモダンの黎明期を牽引した渡辺力。1949年自身のデザイン事務所を設立した後、1952年には「ヒモイス」を発表。戦後からまだ7年と物資が不足する中で、いかにローコストで機能美を持ち合わせた椅子を作るかという課題を見事にクリアしただけなく、日本における椅子文化の浸透を促すことにもつながった椅子として知られている。

 その「ヒモイス」の誕生から4年後の1956年にデザインしたのが、こちらの「トリイスツール」。しなやかで優しくたわむ籐素材の性質を見抜き、完璧な形で作品化させたことが高く評価され、1957年のミラノトリエンナーレで、日本人初の金賞を受賞。渡辺力が名付けたわけでないが、真正面から見ると鳥居に似ていることから、「トリイスツール」の愛称で親しまれるようになったというエピソードも面白い。

カラーはナチュラルとダークブラウンの2種。

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