2024年度の首都圏・女子中学受験動向を「女子学院桜蔭対策」専門塾に聞く

AI要約

女子の最難関校受験において、2024年は全体的に最難関校を回避する傾向が見られる。

難関女子校・共学校が偏差値によってAゾーン、Bゾーン、Cゾーンに分けられ、受験者数の変化から最難関校へのチャレンジを回避する動きがある。

御三家や一部の難関校の倍率は緩和されており、吉祥女子が特に人気が高い一方で、洗足学園などは人気が安定している。

2024年度の首都圏・女子中学受験動向を「女子学院桜蔭対策」専門塾に聞く

 中学受験の加熱はしばらく続きそうだと報じられるが、さて、女子の動向はどうだろうか。今回は女子の最難関校受験を中心に見ていきたい。2022年、東京・中野に開校した栄光ゼミナール中野校「最難関女子中学受験専門館」の統括責任者の竹本稔先生にお話をうかがった。

 ――第1志望校が集まる2月1日午前入試ですが、2024年は全体的に最難関校を回避するトレンドだと聞きましたが、女子だけを見るとどうなんでしょうか。

 竹本:まず、難関女子校・共学校を偏差値によって3つのゾーンに分けます。

 Aゾーンは桜蔭、女子学院、渋谷学園渋谷(1)、早稲田実業、洗足学園(1)、雙葉。

 Bゾーンは広尾学園(1)本科、フェリス女学院、吉祥女子(1)、鷗友学園女子(1)、頌栄女子学院(1)、東洋英和女学院A、中央大附属(1)、立教女学院。

 Cゾーンは学習院女子A、中央大横浜附属横浜(1)、香蘭女学校(1)、青山学院横浜英和A、芝浦工大附属(1)、開智日本橋(1)、成蹊(1)、都市大等々力(1)特選です。

*(1)は第1回入学試験、AはA日程を意味する

 これらの中学における、2023年度入試から2024年度入試の受験者数の増減は、Aゾーンは2,330人から2,227人、Bゾーンは2,873人から2,766人、Cゾーンは1,552人から1,610人。AゾーンとBゾーン、つまり最難関校と難関校へのチャレンジを回避した層が一定数Cゾーンに流れていると見ることができます。 

 ――AゾーンからCゾーンまでの難関校は、前年から155名減っていますね。「今、中学受験で増えているのは中堅校をターゲットにする層だ」とはよく聞きますが、難関校受験の倍率は落ち着いているようです。これは今年だけのトレンドでしょうか。 

 竹本:今年だけではないですね。御三家はこの4年間を見ても倍率は緩和され、女子学院は2022年度が2.57倍、2023年度が2.35倍、2024年度が2.27倍と、2年連続で倍率が低下しています。豊島岡は2月1日に入試はないのですが、2年連続で倍率がわずかに下がっています。御三家や豊島岡以外の難関校も全体的には微減です。フェリス、洗足、頌栄、鷗友の2月1日の倍率は2年連続で下がっています。

 唯一、倍率が高止まりしているのは吉祥女子で、2023年度と今年の2年連続で3.05倍です。他はどこも2倍台なので、吉祥女子は難関女子校の中でも人気が高い学校といえましょう。反対に洗足は2022年度は3.48倍、2023年度は3.19倍、2024年度は2.96倍と、倍率が3倍を切っています。洗足は御三家相当の難易度なので、人気も高止まりしてきたのかもしれません。