「遺品整理」で思い出をお金に!整理収納アドバイザー1級の私が実兄に施した、みんながハッピーになる「遺品整理術」

AI要約

旅エッセイストの国井律子が、親の遺品整理について語る。

兄が片付けが苦手で母の家がそのままの状態になっていたが、国井律子がアドバイザーとしてファシリテイトし、遺品整理を進める。

過去に相談を受けていた兄だが、忙しいなどの理由で手を出さずにいたが、国井律子の尽力で遺品整理が進む。

「遺品整理」で思い出をお金に!整理収納アドバイザー1級の私が実兄に施した、みんながハッピーになる「遺品整理術」

旅エッセイストの国井律子です。今回の連載「無駄のない暮らし」は、誰にでも訪れる「親の遺品整理」について。

わが家の場合、母は当時では珍しい「高齢出産」で36歳のとき私を産みました。現在は両親ともに他界。祖父母も当然亡くなっており、幼いときから私をよく知る大人たちはこの世にいません。同年代の友人より10年くらい先行く感じでしょうか。ちょっと寂しいですが「順番」なので仕方ないですね。

ところで私には7歳上の兄がいます。彼が建てた家は玄関別の「2世帯住宅」。兄家族と母とはひとつ屋根の下で暮らしていました。兄は頭がとてもよく体重は0.1t、インパクト「大」なキャラクター、さらにはファニーな人柄でみんなから好かれています。一方で「片付けが苦手」。母が2021年の年始に急逝してから2年以上経過しても、母の家は彼女が生きていたときのままの状態でした。

今回の連載は、「整理収納アドバイザー1級」の私が、片付けが苦手な兄に、じっくりファシリテイトして(促して)、ふたりで遺品整理を終わらせた~、すごい充実感~というお話です。実の家族だからこその困り事。兄に向き合い、彼の性格を理解して遺品整理を進めていき大成功、みんながハッピーになったよという様子をご覧ください。

遺品整理が進まなかった理由としては、やはり「母の家は兄の所有物である」こと。私がしゃしゃり出て作業してもよいのかと躊躇していました。私がこんなですからお義姉さんはなおさら。気づけば母が急逝して2年経過。リビングの壁に掛かっているカレンダーは母が亡くなった2021年1月のまま。書道が好きだった母の作業机には筆や硯(すずり)が並べてあり、洗面所やキッチンに置いてあるモノもあの日のまま。久しぶりに手を合わせに来てくれた母の友人は「○○(母の名前)さん、いつものあの笑顔で出迎えてくれそう」とよく言っていましたね。

兄の心のどこかには「長男としてやらなくては」という気持ちはあったと思います。過去に遺品整理について何度か相談を受けたことがあったので。

しかし 「いまを生きている」兄です。彼に会うたび声掛けしたものの、「この時期、仕事が忙しい」など、のらりくらりはぐらかされました。今夜の鮨の予約などはその場でスグやるくせに(笑)。