YOASBIのヒットは「第2次ジャポニスム」到来を告げるのか?

AI要約

YOASOBIは日本のアーティストとして輝いており、ビルボード・ジャパンで首位獲得したことが注目されている。

山口哲一氏が議論したABEMA TV番組では、日本の文化的産業が海外市場での成功によって大きな成長を遂げる可能性があることが指摘された。

製造業が海外市場で成功するように、文化的産業も日本文化の魅力を活かし、世界市場で競争力を持つことが重要である。

YOASBIのヒットは「第2次ジャポニスム」到来を告げるのか?

 「YOASOBI」は、今最も輝いている日本のアーティストの一つである。

 そのYOASOBIが、ビルボード・ジャパン「『アイドル』が米ビルボード・グローバル・チャート“Global Excl. U.S.”で首位獲得」と伝えられたのは昨年6月6日のことだ。

 この「YOASOBI」現象については、私の音楽・エンタメ業界の貴重な情報源である山口哲一氏も出演している、ABEMA TV 2023年8月14日「世界ヒットは作れる? ガラパゴスじゃダメ? 日本の音楽エンタメの未来図を議論」で詳しく論じられている。

 「YOASOBI現象」については、山口氏の鋭い分析以上の内容を私が述べることはできない。是非前記番組を視聴いただきたい。

 だが、番組の中で同氏は「(日本の)『ガラパゴス文化』を『非ガラパゴス的手法』で世界に羽ばたかせるべき」と主張しているように私には思える。

 この考え方は、実は音楽業界だけではなく、日本のすべての「文化的産業」に通じるのではないだろうか。

 5月4日公開「地方の製造業が日本を繁栄に導く~特に浜松、スズキ、ホンダ、ヤマハ、カワイ、浜松ホトニクスなどを生んだその『心意気』」、2021年5月9日公開「日本の『お家芸』製造業、じつはここへきて『圧倒的な世界1位』になっていた…!」、「大原浩の逆説チャンネル<第36回>世界の混迷の中で、『ガラパゴス日本』が発展する。ITから製造業へ。円安も追い風だ」などで繰り返し日本の製造業の「輝かしい未来」について述べてきた。もちろんその考えに変わりはない。

 しかし、「ガラパゴス日本」の潜在的パワーがこれから花開くのは製造業だけではない。2021年2月28日公開「1400年の歴史、世界最古の会社が日本に存在している…!」で述べた長い歴史で培われた「ガラパゴス文化」の影響下にある、音楽、アニメ、ゲーム、などの「文化的産業」にも「輝かしい未来」が待っている。

 もちろんこのような「文化的産業」はこれまでも存在し、一定の影響力があった。だが、前記、ABEMA TV番組で山口氏が述べているように、「充分大きな日本市場で満足してしまい、海外に目が向けられていなかった」のは事実である。

 ところが、今後の国内市場は「人口減少」によって縮小するのが明らかであり茨の道だ。しかし、「製造業」が「海外市場」での成功によって発展したように、「文化的産業」も「海外市場」において大躍進するチャンスがある。

 製造業では「日本品質」が大きな武器となったが、「文化的産業」においても同様だ。前記「1400年の歴史」で磨き上げられた「日本品質の文化」は、世界市場においても圧倒的な競争力がある。これまではその潜在能力をビジネスに結び付けることに熱心でなかっただけに過ぎない。

 前述のように「(日本の)ガラパゴス文化」を「非ガラパゴス的手法」で世界に羽ばたかせるべき」ということに気がつけば、日本の「文化的産業」が巨大な収益産業へ変貌すると考えられる。