中国「軌道上サービス」企業、資金調達–デブリ除去などの提供目指す

AI要約

中国の三垣航天が宇宙ゴミ除去技術開発のための資金調達を発表。

三垣航天はADRやLEX、OSAMなどの軌道上サービスを提供することを目指す。

世界的にはアストロスケールやOrbit Fab、ClearSpaceなどが同様のサービスを展開している。

中国「軌道上サービス」企業、資金調達–デブリ除去などの提供目指す

宇宙ゴミ(スペースデブリ)除去を中心とした「軌道上サービス」技術を開発している中国企業の三垣航天(Sustain Space、江蘇省蘇州市)は現地時間9月10日、投資ラウンド「プレA+」として数千万元(1元は約20円)を調達したと発表した。深圳の政府系投資企業である深圳高新投(Shenzhen High-tech Investment:SZHTI)が主導した。

 三垣航天は衛星運用サービスを提供する航天馭星(Emposat)の子会社として2022年6月に設立。三垣航天は、デブリを大気圏に突入させて焼却したり、ほかの物体との恐れがない軌道に移動させたりする「ADR(Active Debris Removal)」、燃料補給を含む衛星の寿命を延長させる「LEX(Life Extension)」、衛星を修理したり衛星の部品を製造したりする「OSAM(On-Orbit Servicing, Assembly, Manufacturing)」などのサービスの提供を目指している。

 海外メディアのSpaceNewsによると、三垣航天は2024年初め、太倉港泓潤資本(Taicang Port Hongrun Capital)から非公開のシード資金を確保した。ADRの能力を実証するための衛星を2024年後半までに打ち上げる計画を同社は2024年3月に発表した。

 日本のアストロスケールは「ADRAS-J」などで軌道上サービス、特にADRで基礎となる、対象物体への「接近、近傍運用(Rendezvous and Proximity Operations:RPO)」技術を実証したことで技術力の高さが世界から注目されている。米国では、Orbit Fabが衛星への燃料補給サービス提供を目指している。スイスに本社があるClearSpaceは、ADRやLEXなどの軌道上サービス提供を目指しており、ADRで欧州宇宙機関(ESA)と提携している。