穴の奥まで届く! 細いのに濃く書ける工作用シャープペンシルが便利です

AI要約

マーキング用ペンシル「TRACER AMK1」は、極太の芯を採用し、芯が折れにくく見やすい特徴があります。

ペン先が細く、長いので穴の奥まで届き、材料に印をつけやすいです。専用ケースに収納され削り器も付属しているので便利。

木材などの加工作業には特に適しており、工作好きな人におすすめのアイテムです。

穴の奥まで届く! 細いのに濃く書ける工作用シャープペンシルが便利です

文具ではなく工具のシャーペンがあればいいのに……と考えている人が気になるであろうアイテムが、マーキングペンシル。加工用に目印を付けたりするのに、1本あると便利ですよ。

 材料の切り出しや加工作業で必要となるのが、加工用に目印を付けること。切ったり穴をあけたりする位置や、寸法などを材料に写していく作業です。材料や工具の違いで呼び方は変ったりしますが、墨付け、ケガキ、下書き、マーキングあたりが一般的でしょうか。

 

 この作業にはマジックや鉛筆を使うことが多いですが、マジックだと線が太くなりがちなのが悩みどころ。また、キャップを締め忘れたまま触って手が汚れたり、乾いてしまったりといった失敗もあります。鉛筆は鉛筆で、削るのが面倒。使う段階になってから尖っていないことに気づいたり、芯が折れたままだったことを思い出すなんてこともあるでしょう。

 

●シャーペンのほうが使いやすい?

 シャープペンシルならノックするだけで尖った芯が出ますが、材料へ目印を書くには不向き。一般的な0.5mmは細すぎて、筆圧で材料が凹む、芯が引っかかってスグに折れてしまうなど、うまくいかないことも多いからです。

 

 芯が太ければ文字が見やすく、芯が折れにくくなるため、0.9mmや1.3mmという太芯のシャーペンを使うのはいい選択肢です。しかし、文具は基本的に素手で使うのが前提となっているため、防刃手袋や軍手をしていると持ちにいことも。また、穴の奥に印をつけたいのに、軸が太くて奥まで届かないといった問題もあります。

 

 文具ではなく工具寄りのシャープペンシルがあればいいのにと考えている人が気になるであろうアイテムが、トレーサーのマーキング用ペンシル「TRACER AMK1」です。

 

 これは、2.8mmと極太の芯を採用するシャープペンシル。太いため芯が折れにくく、さらに2Bと色が濃くて見やすいというのが特徴です。

 

 今回は、替芯とセットになっている「TRACER AMK1 ディープホールシャープペンシル2.8mm+替芯セット」(購入価格2970円)を試してみました。

 

●穴の奥までペン先が届く!

 本体は専用ケースに収納されています。ケースのペンクリップはやや大型で、ちょっとしたカエシがついているのがポイント。ポケットなどに挟んでおけば、軽く引っ張った程度では外れません。

 

 つまり、ケースを手で押さえなくても、ペン本体の抜き差しができるようになるわけです。使いたいときにすぐに取り出せ、使い終わったらすぐにしまえるというのは、思っている以上に便利です。

 

 後端をノックして芯を送り出す、という基本的な使い方は、普通のシャープペンシルと変わりません。ただし形状は、一般的な文具と比べ大きく異なります。

 

 まず気になるのが、明らかに芯が太いこと。なにせ直径約2.8mmですからね。0.5mmと比べるとわかりますが、あまりにも差があります。

 

 芯が太ければそれだけ丈夫。色も2Bと濃いため、大きく印をつけたいときに重宝します。

 

 もうひとつ、これだけ芯が太いのに、ペン先が細いというのが気になるところ。これは材料の穴越しに印をつけやすくするためです。

 

 例えば、貫通穴のある材料を、木材にネジ止めする場合を考えてみます。まず材料の穴の位置を測り、木材のどこに下穴をあけるか印をつけます。次に下穴をあけ、材料をあててネジ止めするというのがよくある方法。

 

 しかし、穴の位置を測るというのが結構大変。そこで多くの場合、最初から材料を固定したい場所に仮置きしてしまい、貫通穴に合わせで印をつけます。そうです、“現物合わせ”ですね。

 

 材料が薄ければ通常のペンで印をつけられますが、材料が厚ければ、ペン先が届きません。こんな時でもTRACER AMK1なら大丈夫。ペン先の直径は約5.7mmと細く、長さは約41mmと長いため、幅6mm以上の穴なら奥まで届きます。

 

 ちなみに、芯を伸ばせばさらに深い穴にも対応可能。どのくらい短くなっているかで届く範囲は変わりますが、新品なら140mmくらいの深さまで届くでしょう。

 

 なお、ペン先が通らない6mm未満の穴でも、芯が通る3mm以上であれば印が付けられます。折らないよう気を付ける必要はありますが、100mmくらいまで対応可能です。

 

●文字を書くより印がつけやすいグリップ位置

 一般的なシャープペンシルと違う部分はまだあります。例えばグリップ。やや太めになっているうえ、指を当てやすいようクビレているので、手袋をしていても握りやすくなっています。

 

 また、このグリップの位置が高いのも特徴。文具では文字を書くのがメインなので、精密な動きができるようペン先近くの低い位置を握ります。これに対してTRACER AMK1は、どちらかといえば線や印をつけるのがメイン。芯の先が手や指で隠れないよう、高い位置を握るようになっています。

 

 とくに、縦に長い線を引こうとする場合は芯の先が隠れてしまいがちなので、こういったときに「なるほど」と納得できるでしょう。

 

 ちなみに、芯が太いということは、しばらく使っていると先が丸まり、線が太くなっていきます。手元のナイフで削ればいいだけですが、別の工具を取り出すというのも面倒です。

 

 実は、付属の専用ケースには削り器が付いており、簡単に尖らせることができます。こういった工夫がうれしいですね。

 

 今回手に入れたのは「TRACER AMK1 ディープホールシャープペンシル2.8mm+替芯セット」というだけあって、替え芯も付属。この替え芯は専用のケースに収納されており、1本ずつ取り出せるようになっていました。

 

 もちろんクリップもあるので、セットでポケットに挿しておけば、芯の交換までスムーズに行えます。

 

●とくに木材を大量に使う工作で活躍

 いくら工作用とはいえ、基本的には鉛筆。表面がツルツルの金属やプラスチックなどにはうまく書けません。ザラザラしている木材、タイルの裏面、すりガラス、といったものには書けるので、こういった材料を使う用途に向いています。

 

 今まで「手元にあるから」という理由で文具用シャープペンシルを使っていて、書いた線が薄い、芯が折れやすい、といった不満を覚えている人なら、TRACER AMK1はかなり満足できるでしょう。

 

 なお、穴の奥に印をつけることがないのであれば、機能的には2Bの鉛筆とあまり変わりません。では不要かといえばそうではなく、芯が折れたり短くなった時に何度も鉛筆を削らなくていいという、シャープペンシルであることのメリットは大きいです。とくに多くの材料に印をつける場合は、鉛筆だと何度も削ることになりますから、その差が大きくなります。

 

 木材で大きなものを作ることが多い、大量の加工が必要な工作が好きだというのであれば、1本あると便利ですよ。

 

●お気に入りポイント●

 

・芯が太くて折れにくい

 

・ケースからの出し入れがしやすい

 

・削り器がついている

 

この記事を書いた人──宮里圭介

 PC系全般を扱うフリーランスライター。リムーバブルメディアの収集に凝っている。工作が好きだが、最近あまり時間が取れないのが悩み。

 

文● 宮里圭介 編集●こーのス/ASCII