「データが全部飛んだ!」買って1年のPCが故障…絶望的な状況を救ってくれたサービスとは?

AI要約

災害とパソコンの故障は忘れたときにやってくる。先日、買って1年くらいのWindowsパソコンがいきなり立ち上がらなくなってしまった。データを保存している外付けHDDでバックアップを取っていなかったため、復旧が困難だった。

データのバックアップは万事休すを防ぐために重要だ。データのバックアップには「3-2-1」ルールがあり、複数のバックアップを取り、異なる媒体に保管することが必要だ。

バックアップは容量無制限のクラウドサービスを利用すると便利だが、短いタイミングでパソコンを買い替える場合には特に役立つ。安全性を考えてバックアップ戦略を見直す必要がある。

「データが全部飛んだ!」買って1年のPCが故障…絶望的な状況を救ってくれたサービスとは?

 災害とパソコンの故障は忘れたときにやってくる。先日、買って1年くらいのWindowsパソコンがいきなり立ち上がらなくなってしまった。しかもちょうど引っ越しのタイミングで、普段データを保存している外付けHDD(ハードディスク)でバックアップを取っていなかったのだ。仕事でまだ納品していないデータもすべて吹っ飛んでしまった。「万事休す……!」と絶望的な気持ちになったが、そのとき思い出したのが、何年もお金を払うだけで使っていなかった「Backblaze」(バックブレイズ)というクラウドサービス。最悪の事態にならないためには、日頃の備えが何より大事。今回はできるだけ安く確実に、クラウドで大事なデータのバックアップを取り、困ったときに復旧する方法を紹介する。(ITライター 柳谷智宣)

● 大事なデータ、ちゃんとバックアップしてますか

 皆さん、パソコンやスマートフォンのデータのバックアップはしっかりと取っているだろうか。思い出の写真や動画は、一度失ってしまうと取り返しがつかない。苦労して作った文書や表、ダウンロードしたファイル、手持ちの書類や書籍をスキャンしたPDFなど、なくすことができないデータは多いはずだ。ものによっては家族や職場に迷惑をかけることもあるだろう。パソコンの故障であろうと紛失であろうと、データは守らなければいけない。

 だったら、データをコピーしておけばいいだろう、と考えがちだが、きちんとバックアップしないと万一のときに復旧できないことも多い。例えば、同じHDDやSSD(ソリッドステートドライブ。HDDと同じくデータを保存するドライブ)の別フォルダに保存しているのであれば、そのドライブが故障したら共倒れになる。別のドライブに入れておいたとしても、火災や盗難などで両方とも失う可能性はある。

● バックアップは「3-2-1」ルールが重要

 そこで「3-2-1」ルールが重要になる。データは最低「3つ」取っておくこと。元データに加えて、最低バックアップを2つ取ると言うことだ。そして、「2」種類以上の媒体に保存すること。元データがHDDであれば、バックアップの一つはDVD-Rのような記録メディアやクラウドストレージに保存する。そして「1つ」のバックアップは遠隔地に保存すること。これはクラウドサービスを使えば実現できる。

 筆者は20年近く前、HDDに入れてあった仕事のデータをすべて喪失してしまい、大ダメージを被ったことがある。そこからは、バックアップを欠かさないようになった。近年はUSBの外付けHDDにバックアップした上、クラウドサービスにも保存するようにしている。

 しかし、年を追うごとにバックアップしなければならないデータ量が増えてきて、普通のクラウドサービスでは容量が足りなくなってきた。そこで、2018年から月額540円の「AOSBOX Cool」を使っていたがサービスが終了。2020年からは月額6ドルの「Backblaze」というサービスを使っていた。どちらも容量無制限でパソコン内のデータをバックアップしてくれる。

 しかし、筆者は短いタイミングでパソコンを買い替えていることもあり、これらのサービスが役立つシーンはなかった。長い間、黙ってお金を支払い続けているだけだったのだが、先日、HDDが故障した。突然、Windowsが起動しなくなり、復旧のためいろいろと手を尽くしたのだが、HDDが破損していたのだ。