「あなたが宇宙を創った神でしたか…」 木のコブに詰まった〝小宇宙〟 工芸作家の作品に衝撃
木のかたまりをぱかっと割ると、小さな宇宙が広がっている。作者は工芸作家の藤井大輔さんで、この幻想的な作品がXで話題になった。
藤井さんはウッドレジンオブジェを作る作家で、ジオードに着想を得て木のかたまりに宇宙風景を表現した。作品は天然石の「ジオード」を彷彿とさせる美しさが評価されている。
作品は「龍の果実ードラゴンフルーツ」と名付けられ、今後個展やハンドメイドオークションで展示される予定だ。
木のかたまりをぱかっと割ると、小さな宇宙が広がっているーー。そんな幻想的な作品が、Xで話題になりました。作者に話を聞きました。
Xで話題になったのは「木に実った宇宙」と題して投稿された約20秒の動画です。
最初に写っているのは、ごつごつとした突起のある木のかたまりです。それを両手で持ち、たまごのように「ぱかっ」と割ると、中には、青や紫に輝く銀河のような神秘的な風景が見えます。
m.a.woodさん（@m_a_wood_）が公開したこの動画には、「すごく意外なところに小宇宙を作り出すとは…見事！」「あなたが宇宙を創った神でしたか…」などのコメントが寄せられ、1万以上のいいねがつきました。
投稿したのは工芸作家「m.a.wood」として活動する藤井大輔さんです。
木と樹脂を組み合わせて極限まで磨き上げた「ウッドレジンオブジェ」を得意としており、4年ほど前から、たまごの中に「絶景」が広がる作品「ドラゴンエッグ」を作ってきました。
今回の作品は、天然石の「ジオード」に着想を得たそうです。ジオードは、外から見ると普通の石なのに、割ると中に細かい結晶が輝くそうで、「とても美しいと感じて、人工的に作れないかと考えました」と話します。
ブライヤーという木の根のコブをドリルなどで掘ってくりぬきました。
そして、くりぬいた内側に、黒のアクリル塗料で宇宙の「ベース」を作り、その上に、見る角度によって青や紫、銀にきらめく「偏光パウダー」を塗布しました。
その宇宙の上から透明度の高いレジンを流し込み、固めて、形を整え、磨き上げます。
「景色を閉じ込めるため、中を鮮明に見せるよう、レジンの透明度と表面のつやにこだわりました」
この作品を正面から撮影して8月末に「やばいもん出来ました」と投稿すると、「本当にヤバい」「ずっと見てられそうです」と反響を呼び、14万いいねがつきました。
Xユーザーのm.a.woodさん: 「やばいもん出来ました https://t.co/n6oKLCEOcm」 / X
作家名の「m.a.wood」には、ミステリアス（神秘的）の頭文字「m」と、アメージング（衝撃的）の頭文字「a」を取ったそうで、「作品を見た時、手に取った時に、神秘的で衝撃を与えられるような作品を作る」という決意を込めています。
今回の作品は「龍の果実ードラゴンフルーツ」と名付けられ、今後、個展やハンドメイドオークションが予定されているそうです。
