インテル、ノートPC向けCPU「Core Ultra 200V」シリーズを正式発表

AI要約

インテルがLunar Lakeアーキテクチャー採用の最新CPU「Core Ultra 200V」シリーズを発表した。新型CPUは処理速度、電力効率、GPUパフォーマンスの向上に加え、NPUも搭載している。

バッテリー駆動時間において、クアルコムのCPUを凌駕する可能性があるとされるCore Ultra 200V。ゲームのベンチマークでも高いフレームレートを記録しており、競合他社に対して優位性を示している。

また、CPU内にシステムのRAMを統合することで消費電力を削減し、ラインナップにはRAM容量の違いによる複数モデルが用意されている。

インテル、ノートPC向けCPU「Core Ultra 200V」シリーズを正式発表

インテルが「最速のCPUコア」、「世界最高の内蔵GPU」、「最高のAIパフォーマンス」を標榜するLunar Lakeアーキテクチャー採用のノートPC向けCPU「Core Ultra 200V」シリーズを発表した。このCPUを搭載するPCは9月24日より順次発売される。

Core Ultra(Series 2)とも呼ばれるこのCPUは、これまでの最新世代だったMeteor Lakeアーキテクチャーを採用したCore Ultraに対して、処理速度だけでなく、電力効率の改善によるバッテリー駆動時間の大幅な改善、GPUパフォーマンスの大幅な高速化を盛り込み、さらに生成AIや機械学習に関するマイクロソフトの「Copilot+ PC」要件を満たすNPU(Neural Processing Unit)も備えている。

Copilot+ PC向けCPUとしては、一足先にクアルコムが「Snapdragon X Elite」を発表しており、ARMアーキテクチャーならではのバッテリー駆動時間の長さを特徴としている。しかしインテルは、Core Ultra 200VをSnapdragon X Eliteを搭載する同じメーカー、同じバッテリー容量、同じ筐体のノートPCで比較したところ、使用するアプリケーションによってはクアルコムのシステムよりバッテリー駆動時間が長かったと主張している。

もし本当にLunar LakeがクアルコムのCPUと同等かそれに近い電力効率を実現するのであれば、それはゲームや各種アプリケーション、ドライバーなどの互換性問題がいまだ残るクアルコム製CPUに対する大きなアドバンテージとなりそうだ。

たとえば、インテルはゲームのベンチマーク(XeSSアップスケーリング不使用)では、Core Ultra 9 288VはQualcomm X1E-84-100 を搭載するシステムに対して、平均で68%高いフレームレートを提供し、AMDのRyzen AI 9 HX 370に対しても、16%高いフレームレートを叩き出すと説明されている。この分野ではクアルコムはまだまだ難しいところがあるようだ。

Lunar Lakeは、CPUパッケージ内にシステムのRAMを統合して出荷される。これはアップルがMシリーズのチップを搭載するMacでやっているのと同じことだが、CPUとRAMを別々のモジュールとしてシステムに搭載するよりもかなりの消費電力の節約になるという。

一方、CPUとRAMを同じパッケージに統合していることで、CPUそのものは同じでも、RAM容量の違いだけでCPUの型番が変わる点は注意が必要だ。今回、インテルは9つのCPUモデルを発表したが、そのうち最上位のCore Ultra 9 288VだけがRAM 32GBのみで、残りのCore Ultra 5シリーズとCore Ultra 7シリーズ合計8モデルは、RAM容量が16GBのものと32GBのものが用意されている。型番末尾が「6V」のモデルがRAM 16GBで、「8V」のモデルが32GBだ。

Source: Intel