インテル、ノートPC向けAI対応チップ「Core Ultra 200V」シリーズを発表

AI要約

IntelはIFA 2024を前に、次世代プロセッサーファミリー「Core Ultra 200V」を発表した。このシリーズはQualcommやAMDに対抗するため、ノートPC向けの高性能選択肢となることを目指している。

Core Ultra 200Vシリーズはスピードと駆動時間に重点を置いており、パフォーマンスコアやエネルギー消費を調整する様々なテクノロジーを搭載している。

バッテリーの設計やグラフィックス、ニューラル処理ユニットの性能向上など、Core Ultra 200VシリーズはノートPCのパフォーマンスとエネルギー効率を高める革新的な仕様を持っている。

インテル、ノートPC向けAI対応チップ「Core Ultra 200V」シリーズを発表

 ベルリンで現地時間9月6日~10日に開催される「IFA 2024」を前に、Intelは次世代プロセッサーファミリー「Core Ultra 200V」(開発コード名「Lunar Lake」)を発表した。このシリーズの狙いはQualcommの「Snapdragon X Elite」シリーズやAMDの「Strix Point」シリーズに対抗して、ノートPC向けの新たな最高の選択肢になることだ。

 Core Ultra 200VシリーズでIntelが重点を置いているのは、スピードと駆動時間の2つの分野だ。9つあるモデルはいずれも4基のパフォーマンスコア(Pコア)と4基の高効率コア(Eコア)を搭載するが、キャッシュの容量が異なる。例えば、「Core Ultra 5 processor 226V」はキャッシュが8MBなのに対し、ハイエンドの「Core Ultra 9 processor 288V」は12MBだ。Intelによると、Core Ultra 200Vシリーズはパフォーマンスを「インテリジェントに」調整できるという。この調整は複数の機能を通じて実現される。

 Intelの「Turbo Boost Technology 2.0」により、「ピーク負荷に対応して」ハードウェアパフォーマンスを高められる。また、「Dynamic Tuning Technology」はエネルギー消費をノートPCの電力ポリシーに合わせて最適化する。「Adaptive Boost Technology」は、「定格周波数よりも高速に動作」するように、利用状況に合わせてプロセッサーの性能を上げる。

 さらに、統合グラフィックスカードとニューラル処理ユニット(NPU)がいずれもアップグレードされている。「Arc GPU」はIntelの「Xe Super Sampling」と「Xe Matrix eXtensions」エンジンを搭載することで、「人々の想定を超えた(中略)AIによるアップスケーリングとレイトレーシング」を軽量ノートPCにもたらす。NPUは最大で48TOPS(1秒間に48兆回の演算)という性能を発揮する。

 バッテリーに関して、Intelはユーニークな設計を選択した。実装した「OS containment」と呼ばれる機能により、Core Ultra 200VシリーズはノートPCのワークロードを「可能な限りEコアに」集約できる。特に負荷が大きい場合はPコアに移行し、必要がなくなればPコアをシャットダウンしてエネルギーを節約する。

 Intelは「UL Procyon Office Productivity」ベンチマークを実施し、Core Ultra 9 processor 288Vは1回の充電で約14時間稼働したと主張している。同じテストで、Qualcommの「Snapdragon X Elite」とAMDの「HX 370」はそれぞれ約9.5時間と約10.1時間だった。

この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。