ビットコインマイニングの採算性は過去最低水準:JPモルガン

AI要約

JPモルガンが発表した報告書によると、ビットコインマイニングの採算性が過去最低の水準にあることが明らかになった。

ビットコインマイニングのブロック報酬が低下しており、マイニング事業者の株式も下落している。

また、ネットワークハッシュレートの上昇やマイニングの難易度の増加なども課題として浮き彫りになっている。

ビットコインマイニングの採算性は過去最低水準:JPモルガン

ビットコイン(BTC)マイニングの採算性は過去最低の水準にあるとJPモルガン(JPMorgan)は9月3日に発表した調査報告書で述べた。

「我々の推定では、ビットコインマイナーは8月の1日あたりのブロック報酬が平均4万3600ドル(約632万円、1ドル=145円換算)となり、過去最低を記録した」とアナリストのレジナルド・スミス(Reginald Smith)氏とチャールズ・ピアース(Charles Pearce)氏は分析している。

2021年11月のピーク値では34万2000ドル(約4960万円)で、当時はBTC価格が6万ドル、ネットワークハッシュレートが毎秒161エクサハッシュ(EH/s)だった。

世界最大の暗号資産(仮想通貨)の価格が3カ月連続で下落し、ネットワークのハッシュレートが上昇したため、マイニング事業者の株式は下落した。ハッシュレートとは、プルーフ・オブ・ワーク(PoW)のブロックチェーン上でマイニングや取引処理に使用される計算能力の合計を指す。

JPモルガンが追跡している上場マイニング企業14社の時価総額合計は、前月比で15%減の200億ドル(約2兆9000億円)となり、この期間にビットコインのパフォーマンスを上回ったのは3社のみだったと報告書は述べている。

業界内の競争とマイニングの難しさを示す代理指標であるネットワークハッシュレートは、2カ月連続で上昇したと同行は指摘した。「ネットワークハッシュレートは8月に平均631EH/sとなり、先月より16EH/s上昇したが、半減期前の水準より約20EH/s低い」と報告書の著者は記している。

JPモルガンは、マイニングの難易度が先月9%上昇し、半減期以前よりも4%高いことを指摘した。

8月には取引手数料が一時的に急上昇し、ブロック報酬の120%にまで達したが、これはマイナーにとっては「プラスに作用する」と報告書は付け加えた。

同行は、ビットコインの年率換算ボラティリティが7月の45%から8月には62%に上昇したとしている。

|翻訳:CoinDesk JAPAN|編集:井上俊彦|画像:Shutterstock|原文:Bitcoin Mining Profitability Is Stuck at Record Lows, JPMorgan Says