パブリッシャーの Amazon プライムデー収益は軒並み増加。ただし、依然としてその増減は予測困難

AI要約

プライムデー固有のコンテンツから得られるコマース収益が前年比99%増加し、コンバージョン率も向上したことが明らかになった。

複数のパブリッシャーがプライムデーにおける収益の急増に驚いており、Googleのアルゴリズム変化によるコンテンツおよび配信戦略の変化が影響していると考えられている。

一方、競合する小売業者の特売イベントのコンテンツから得られる収益は低下しており、プライムデー固有のコンテンツが注目を集めている。

ことしのAmazonプライムデー(Amazon Prime Day)は失敗に終わるという予測だったが、いくつかのパブリッシャーは「アフィリエイトコンテンツから得たコマース収益が予測を上回った」と米DIGIDAYに語った。

話を聞いた4社のパブリッシャーによると、プライムデー固有のコンテンツから得られたコマース収益は前年比で約99%も増加した一方で、コンバージョン率は2023年よりも6~30%程度向上したという。パブリッシャーたちは、これがGoogleの最近のアルゴリズム変化に対応したコンテンツおよび配信戦略の変化によるものだとしている。

「ことしは成長がない年になると考えていた」と、メディア企業のアパートメントセラピーメディア(Apartment Therapy Media)でプレジデントを務めるリーバ・シロップ氏は述べる。同氏はプライムデーの前に、「近年になって多くの小売業者がプライムデーに対抗し、競合する特売イベントを同時に開催するようになってきたことで、プライムデーがコマース収益を生み出す力が衰えてきたように感じる」と、米DIGIDAYに語っていた。しかし終わってみると、プライムデー固有のコンテンツから得られた収益は前年よりも99%も増加した。ただし、競合となる小売業者の特売のコンテンツから生み出された収益は低下していたという。

フォーブス(Forbes)のコマースレコメンデーション部門であるフォーブスベッティド(Forbes Vetted)も、7月のプライムデーで同様な前年比の収益の急増を見いだした。フォーブスのコマースコンテンツおよび戦略担当のエグゼクティブディレクターを務めるコーリー・ボールドウィン氏は、7月16日から17日までのプライムデーのコンテンツから得られた手数料が前年よりも88%増加したと述べている。

また、ニュースレター配信会社のザ・スキム(theSkimm)でコマース担当バイスプレジデントを務めるサム・ベイカー氏は、「ことしのプライムデーの収益が前年と同じか微増にとどまることを予測していた」と述べ、前年比で合計売上が25%増、プライムデーのコンテンツのコンバージョン率が30%増だったことは「嬉しい驚きだった」と話している。なお、同氏はプライムデーの収益総額を明かさなかった。

一方で、メディア企業のギャラリーメディアグループ(Gallery Media Group)のCROを務めるクリス・アンソニー氏は、「7月のプライムデーの合計収益が2023年とほぼ変わらず、これまでの数年のトレンドと同じだった」と語る。7月のプライムデーはAmazonの10月のプライム感謝祭よりもコマース収益の増加が小さい傾向があり、「これは10月のイベントの時点でオーディエンスがホリデーの買い物をする気分になっており、高価な買い物をする傾向があるためだ」と、同氏は説明している。

それにもかかわらず、7月のプライムデーにおけるGMGの総合的なコンバージョン率は前年比で6%向上し、衣類やフィットネスなど特定のショッピングのカテゴリーで得られた収益はそれぞれ14%と20%増加しており、「これは予測外だった」とアンソニー氏は述べている。