そうだ、光と音で脳をととのえよう「ZEN NIGHT WALK KYOTO」@大本山建仁寺

AI要約

京都で開催された「VIE presents ZEN NIGHT WALK KYOTO」は、ニューロミュージックをテーマとしたアートイベントで、脳をととのえる音楽体験を提供している。

イベントでは、建仁寺の回廊に配置された音と光のインスタレーションが訪れる人々を魅了し、禅の教えを実践しながら特別拝観が楽しめる。

アンビエントミュージックやデジタルアートなどのエンターテイメント要素も取り入れられ、訪れる人々に心地よい体験を提供している。

そうだ、光と音で脳をととのえよう「ZEN NIGHT WALK KYOTO」@大本山建仁寺

そうだ、京都でととのえよう。

科学的に実証された研究結果をもとに脳をととのえるという音楽「ニューロミュージック」をテーマとした空間、音、映像が三位一体となったアートイベント。京都の大本山建仁寺で9月まで開催される「VIE presents ZEN NIGHT WALK KYOTO」に行って参りました。

Apple Vision Proに装備されたマインドフルネスアプリが意外とよくて大ハマり。徐々に瞑想、そしてZEN思想へ。鈴木大拙を中心とした西海岸のテックカンパニー、ジョン・ケージやスティーヴ・ライヒなどのミニマル・ミュージックへの影響力のマントラにも興味があった昨今。ZENのお作法で建仁寺を夜間拝観できるなんて魅力的に決まっているじゃないですか。

イベントの発案は、脳波を刺激する音楽“ニューロミュージック(NeuroMusic)”を開発し、認知機能拡張や各種疾患への適用に向けた研究開発を進めてきたVIE株式会社の代表・今村泰彦氏。

鎌倉に住む自身のマインドフルネス的な体験をきっかけに同社のCMO(チーフ・ミュージック・オフィサー)を務める慶應義塾大学准教授の藤井進也氏のアドバイザリーを経て、禅の教えの大家である建仁寺内務部⻑浅野俊道氏の協力を仰ぎました。そして今回、京都最古の禅寺であり、臨済宗建仁寺派の大本山建仁寺の回廊に音と光のインスタレーションを配置し、夜間の特別拝観が許される前代未聞のナイトウォークイベントが実現。

御三方に加えて、各インスタレーションに流れるアンビエントミュージックの制作を行なったDJ、ビートメイカーのLicaxxx氏やデジタルアートで参画する慶應義塾大学教授・現代美術家の脇田 玲氏など、ギズモード的にも「おおっ、チェックしてます!」的な精鋭が集結。

メディア向けに行なわれたトークセッションでは、今村氏と藤井氏がそもそもジャズのドラマーとして活動していたり、Licaxxx氏が慶應義塾大学 湘南藤沢キャンパス(SFC)の出身だったりなど、意図したわけではないが意味のある共通項=シンクロニシティーや、制作についての思いなどが語られました。また、回廊をまわりながら建仁寺浅野広報部長にそれぞれの設計・デザインにどんな意味~思想が込められているかを禅宗的な視点から語って頂きました。

個人的に刺激を受けたのは本坊中庭「◯△□乃庭(まるさんかくしかくのにわ)」に流れるアンビエント・ミュージック。ニューロミュージック専用のアプリケーションを活用して制作された心地よい環境音楽でありつつ、DJ・ビートメーカーであるLicaxxxらしいゆったりとしたうねりやビート感も感じられて、ただ静かなだけではない音楽的な作品に仕上がっていました。

建仁寺浅野氏の「◯△□という庭のフォルムが“生命”を表している」というお話も、「リズム→鼓動→生命力」という接続がそこにある気がしてハッとさせられました。

もうひとつインパクトがあったのは、法堂『脇田玲 龍雨図』。建仁寺の象徴でもある小泉淳作画伯の『双龍図』に現代美術家として活躍する脇田玲氏のデジタルアート『龍雨図』が融合。流体シミュレーション技術を使ってエネルギーの流れを可視化した映像で、スペクタルな「仏法の雨を降らせる龍」を描くことに挑戦しています。

映像と空間が三位一体となって迫ってくる圧巻の祝祭空間であり、ゲームのラスボス感もある。京都に行く機会があったらぜひ最後はここで「ととのえて」ほしいと感じる「脳に心地よい」イベントでした。

【開催概要】

名称:ZEN NIGHT WALK KYOTO

会期:2024年8月2日(金)~9月22日(日) 19時~21時半(受付終了21時)※夜間拝観休止日:8月14日(水)、23日(金)、31日(土)、9月6日(金)、7日(土)、 14日(土)、 17日(火)、18日(水)

会場:大本山建仁寺 

料金:大人:2,200円 12歳以下:1,100円 6歳以下:無料 ※当日窓口販売あり(現金不可・デジタル決済のみ) ※価格は税込み 

主催:VIE, 日本経済新聞社 特別協力:大本山建仁寺 

後援:公益社団法人京都市観光協会 

協力:東海旅客鉄道、大光電機、パナソニックコネクト、d&b audiotechnik、いけうち、カンバス、MUTEK Japan、ETERNAL Art Space

Source: VIE presents ZEN NIGHT WALK KYOTO