暗号資産先物、ビットコイン急落で10億ドルの清算──イーサリアムは2021年以来の大幅下落

AI要約

暗号資産の先物市場が過去24時間で約10億ドルの清算を記録し、混乱が引き起こされた。

イーサリアムとビットコインなどの暗号資産において大量の清算が発生し、多くの個人トレーダーが影響を受けた。

円相場の急騰やテクノロジー企業の業績不振などの要因によって暗号資産市場が荒れた一週間であった。

暗号資産先物、ビットコイン急落で10億ドルの清算──イーサリアムは2021年以来の大幅下落

暗号資産(仮想通貨)の先物は過去24時間で、10億ドル(1400億円、1ドル=140円換算)以上の清算を記録した。この大混乱は、円高とマーケットメーカーであるジャンプ・トレーディング(Jump Trading)の暗号資産事業清算の噂によって引き起こされた。

イーサリアム(ETH)先物は3億4000万ドル(約476億円)以上の清算を記録し、ビットコイン先物は4億2000万ドル(約588億円)の損失となった。ソラナ(SOL)、ドージコイン(DOGE)、エックス・アール・ピー(XRP)、ぺぺコイン(PEPE)をトレースする先物は、累計で7500万ドル(約105億円)の清算を受けた。

27万5000人以上の個人トレーダーが清算され、最大の清算は暗号資産取引所のフォビ(Huobi)でのBTC/USD取引で2700万ドル(約37億8000万円)相当だった。データによると、影響を受けたトレーダー全体の約87%がロングトレーダー、つまり価格の上昇に賭けていたトレーダーだった。

ビットコイン(BTC)が24時間で11%以上下落し、イーサリアムが25%も急落した後、わずかに回復した。TradingViewのデータによると、ETHの1日の価格下落としては、3500ドル超から1700ドルに急落した2021年5月以来最悪となった。TradingViewの日次ローソク足は協定世界時(UTC)の午前0時から午後11時59分までのパフォーマンスを示している。

この下落により、人気の高い暗号資産の「恐怖と貪欲指数」は「恐怖」を点滅させ、7月上旬以来の最低水準に達した。この指数は、ボラティリティ、価格、ソーシャルメディアデータを追跡し、参加者が恐怖心を抱いているか(通常は底打ちの兆候)、それとも貪欲であるかを示す。

Bitcoin Fear and Greed Index is 26 ― FearCurrent price: $58,110 pic.twitter.com/ZsB4p6MEix

― Bitcoin Fear and Greed Index (@BitcoinFear) August 5, 2024

清算とは、トレーダーの初期証拠金の一部または全部の損失により、取引所がトレーダーのレバレッジポジションを強制的にクローズすることを指す。これは、トレーダーがレバレッジをかけたポジションの証拠金要件を満たすことができない(取引を継続するための十分な資金がない)場合に発生する。

暗号資産市場は先週、中東の地政学的緊張やテクノロジー企業の業績不振を背景に売られ始めた。これらの要因は、投資家の間で人工知能(AI)の誇大宣伝を弱め、リスク資産からの逃避を生み出した。

日本銀行の追加利上げ観測の高まりと、キャリートレードの巻き戻しにより、円相場が7カ月ぶりの高値に急騰したため、8月5日の早い段階で値動きは悪化した。東証株価指数(TOPIX)は2011年以来最大の下げ幅を記録した。

|翻訳:CoinDesk JAPAN|編集:井上俊彦|画像:Shutterstock|原文:Crypto Futures Record $1B in Liquidations as Bitcoin Nosedives, Ether Slumps Most Since 2021