手を出しにくいCopilot+ PCをより安価に ~X Plus 8コアを搭載するデル「New Inspiron 14」9月下旬発売へ

AI要約

デル・テクノロジーズ(株)は7月31日、メディア関係者を対象とした「Copilot+ PC新製品説明会」を開催。6月18日より順次ローンチした個人・法人向けAI PCモデルのラインナップを改めて紹介するとともに、デルのCopilot+ PC群としてはミドルレンジモデルに位置づけられる「New Inspiron 14」「New Latitude 5455」を9月下旬に発売すると明らかにした。既存モデルよりも安価な価格帯が想定されるが、日本での販売価格は未発表。

今回のイベントでは、AI向けに設計されたWindows PCの新カテゴリ「Copilot+ PC」より、デルが6月以降に発売した「New XPS 13」「New Inspiron 14 Plus」「New Latitude 7455」を中心に、各製品担当者がモデルを紹介。グローバルローンチを迎えた6月18日より少し遅れた形で発売されたモデルもあり、デルのCopilot+ PCモデルをアピールする場を設けられなかったということで、今回改めて紹介の場が用意されることとなった。

「Copilot+ PC」というと、6月の大々的なローンチ以降、各メーカー側は具体的な数字を示さないものの、想定を上回る販売台数であったとアナウンスしているが、現在は一旦ブームに落ち着きが見え始めているようにも感じられる。デルとしては、Copilot+ PCへの市場の期待値はまだまだ伸びしろがあると考えており、今をもって製品ラインナップを制限することはせず、積極的に強化・展開していくと強調している。

手を出しにくいCopilot+ PCをより安価に ~X Plus 8コアを搭載するデル「New Inspiron 14」9月下旬発売へ

 デル・テクノロジーズ(株)は7月31日、メディア関係者を対象とした「Copilot+ PC新製品説明会」を開催。6月18日より順次ローンチした個人・法人向けAI PCモデルのラインナップを改めて紹介するとともに、デルのCopilot+ PC群としてはミドルレンジモデルに位置づけられる「New Inspiron 14」「New Latitude 5455」を9月下旬に発売すると明らかにした。既存モデルよりも安価な価格帯が想定されるが、日本での販売価格は未発表。

 今回のイベントでは、AI向けに設計されたWindows PCの新カテゴリ「Copilot+ PC」より、デルが6月以降に発売した「New XPS 13」「New Inspiron 14 Plus」「New Latitude 7455」を中心に、各製品担当者がモデルを紹介。グローバルローンチを迎えた6月18日より少し遅れた形で発売されたモデルもあり、デルのCopilot+ PCモデルをアピールする場を設けられなかったということで、今回改めて紹介の場が用意されることとなった。

■ “今後もCopilot+ PCの製品ラインナップを強化していかなければならない”

 説明会の冒頭で示されたのは「AI PCにおける意識調査」のグラフ。年齢層の幅広い1,800以上の回答からなるアンケート調査にもとづいたもので、まず「AI PCを知っていますか?」という認知度調査では、まだ50%程度に認知されている状況であったという。これはメーカー側・Microsoft側にとってのひとつの課題であり、「AI PC」を認知してもらえるような製品ラインナップを展開していくと、これからの姿勢を明らかにした。

 次に「AI PCを実際にどのように使いたいか?」という用途調査では、複数回答可能な項目ではあったものの、非常にばらけた結果に。この理由として、それぞれのユーザーに対してAI PCへの期待値がかなりある状態だからと分析しており、こちらも製品ラインナップを強化することが、顧客の用途ニーズに対して製品をアピールできるポイントのひとつになると考えているとした。

 最後の項目として「AI PCを購入するポイント」については、コスパのよさ、使いやすさ、利便性を重視する結果となった。持ち運べる上、予算にあった性能を手に入れたいという声が多かった。

 「Copilot+ PC」というと、6月の大々的なローンチ以降、各メーカー側は具体的な数字を示さないものの、想定を上回る販売台数であったとアナウンスしているが、現在は一旦ブームに落ち着きが見え始めているようにも感じられる。デルとしては、Copilot+ PCへの市場の期待値はまだまだ伸びしろがあると考えており、今をもって製品ラインナップを制限することはせず、積極的に強化・展開していくと強調している。

■ あらゆるニーズに応える、デルのCopilot+ PCラインナップ

 デルより現在展開されている個人向けCopilot+ PCモデルは「New XPS 13」「New Inspiron 14 Plus」の2種類。法人向けモデルとしては「New Latitude 7455」がラインナップされている。

□Snapdragon X Eliteを搭載した主力機「New XPS 13」

・参考価格:249,980円~

 「New XPS 13」は、Intelチップを搭載している筐体をそのまま採用したモデルで、カスタマーが自由に構成を選択できるフルカスタマイズサービスに対応している(英語版のWindows 11や英語配列キーボードも選択可能、一部即納モデルも提供)。同モデルはすでに6月18日より、デルの公式サイトおよび店頭での販売を開始。一部量販店では7月6日からデモ機の展示も行なわれている。

 特徴のひとつとしては、NPUを内蔵したQualcomm Snapdragon X Elite 12コアのデュアルブースト付きになる。注意点としては「Snapdragon X Elite」12コアタイプには3つのクラスが設定されており、「New XPS 13」で採用されているのは中間クラスの「X1E-80-100」となっている。ちなみに、下位の「X1E-78-100」ではデュアルブーストなしとなる。メモリは最大64GBを選択可能。

 また、液晶はFHD+(非タッチ式)とQHD+(タッチ式)に加え、今回から新たに3K OLED(タッチ式)を採用した。OLEDに関しては、XPSシリーズ初となる「Tandem OLED」(2層の有機ELパネルを効率的に動かすことで、ディスプレイが消費する電力を下げ、パネルの焼き付きを抑えるテクノロジー効果)が搭載されている。

□PlusだけでなくElite搭載モデルも追加した「New Inspiron 14 Plus」

・参考価格:189,800円~

 「New Inspiron 14 Plus」は、6月28日よりデルの公式オンラインストアにて販売開始。こちらはフルカスタマイズではなく、指定構成モデルとなる。

 発売当初は、Snapdragon X Plus 10コア(X1P-64-100)搭載モデルのみが展開されていたが、AI PCのニーズの中に「ハイスペック」を求める声が増えているというマーケットリサーチを踏まえて、7月2日よりSnapdragon X Elite 12コア採用モデルもラインナップに追加した。X Plusモデルと金額差はあるものの、InspironシリーズでもX Eliteモデルを選択可能になっている。

 軽量を重視した「New XPS 13」に対し、「New Inspiron 14 Plus」では豊富なインターフェイスを用意。USB Type-A、Micro SDカードスロット、オーディオ端子などが搭載できるようになっている。

□法人向けプレミアムモデル「New Latitude 7455」

 「New Latitude 7455」は、シリーズとして初めてSnapdragon Xを搭載した法人向けモデル。10コア(X1P-64-100)および12コア(X1E-80-100)から選択可能。

 基本的には「Inspiron」モデルの構成を踏襲するモデルではあるが、法人のニーズに合わせて32GBのメモリ構成や英語配列キーボードなどのカスタマイズに対応している。パスワード認証のほかにも、生体認証(指紋・顔)によるセキュリティー保護も可能。画面はQHD+解像度の16:10タッチスクリーンが採用されている。

 法人向けモデルとしては、サステナビリティへの配慮もポイント。デルでは、筐体そのものにも再生プラスチックを採用したり、アルミニウムの生産工程における電力に再生可能なエネルギーを採用して製造したりしているとのこと。また、今年の法人向けモデルより、バッテリーに再生コバルトを50%利用するほか、梱包材に再生可能な素材を100%使用するなどの取り組みも行なっている。大量導入・大量廃棄することになる法人に配慮した設計を推し進めている。

■ Copilot+ PCを“さらに価格を安くして提供する予定”

 X Plus 10コアのほか、Snapdragon X Plus 8コア(X1P-42-100)を搭載する「New Inspiron 14」の発売が9月下旬に決定したとアナウンスされた。また法人向けモデルにおいても、ミドルレンジモデルとして「New Latitude 5455」を同じく9月下旬頃に発売予定。各スペックの詳細は後日発表予定とのことだが、“さらに価格を安くして提供する予定である”としている。

 デルは、ビジネスの状況として「正直、このモデルがどのような形で受け入れていただけるかは、我々もなかなか手探りの状態」ではあるとした上で、あらゆるセグメントの顧客から検討の声が多く届いており、同社としても驚きを持ちながら対応していくとしている。[Copilot]キーを導入したキーボード配列など、先進的なものを求める層にしっかりとリーチしていく一方で、最新テクノロジーを活用してみたいがコストとのバランスを意識する層を含め、コンシューマー・プロ・ビジネスといったあらゆるユーザー層に応えていくラインナップを構成していく、と意気込みを示した。