「Microsoft 365」、DDoS攻撃でサービスが一時停止--現在は復旧

AI要約

Microsoftは30日、「Microsoft 365」の一時停止を報告。管理センターと一部サービスが影響を受けたが復旧。

サービス停止の原因はボットネットによるDDoS攻撃。Microsoftが詳細な調査を行うことを発表。

Microsoftは2週間以内に詳細なレポートを公開する予定。

「Microsoft 365」、DDoS攻撃でサービスが一時停止--現在は復旧

 Microsoftは米国時間7月30日、「Microsoft Teams」「Word」「Excel」「PowerPoint」「Outlook」「OneDrive」から成る「Microsoft 365」の一時停止を報告した。もっと具体的に言えば、Microsoft 365の管理センターと「Intune」「Entra ID」「Power Platform」「Power BI」が停止したが、「SharePoint Online」「OneDrive for Business」、Microsoft Teams、「Exchange Online」は影響を受けていない。いずれも東部時間午後3時43分に正常に戻ったとMicrosoftは報告している。

 インターネット障害を追跡している「Outages」のメーリングリストでは、管理者が「『OAuth』のリクエストは流れているが、速度がかなり遅い。ユーザー認証は可能だが、終了までに10分ほどかかるログインフローもあり、止まっているように見える場合もある」と報告が上がった。

 Microsoftは30日、「X」(旧Twitter)への投稿でサービス停止を認め、詳細についてはユーザーを管理センターに誘導した。ただし、一部のXユーザーが指摘したように、管理センターもサービス停止の影響を受けているようだった。

 ソフトウェアマーケティング企業のZipDoによると、Microsoft 365のユーザー数は2億5800万人を超えるという。一方、Statistaは、Microsoft 365が世界で100万社以上の企業に利用されていると報告している。つまり、これは一大事だった。

 サービス停止の原因は何だったのだろうか? セキュリティ専門家のKevin Beaumont氏は、ボットネットによる分散型サービス拒否(DDoS)攻撃が原因だと推測している。修正されるまでにサービス停止がこれほど長く続いた理由は、それで説明がつく。

 Microsoftはその後、それが事実だと認めたうえで次のように説明した。「予期せぬ使用量の急増により、『Azure Front Door』(AFD)および『Azure Content Delivery Network(CDN)』コンポーネントのパフォーマンスが許容しきい値を下回り、断続的なエラーやタイムアウト、および待機時間の急増が発生した」

 だが、それは始まりに過ぎなかった。Microsoftは「最初のきっかけはDDoS攻撃で、これによりDDoS保護メカニズムが発動されたが、初期調査の結果は、防御の実装におけるエラーによって攻撃の影響が軽減されずに拡大したことを示している」とも述べている。

 今後について、Microsoftは「今回の障害についてもっと詳しく理解するために」徹底的な社内調査を実施すると述べた。同社は2週間以内に詳細なレポートを公開すると約束した。

この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。