NTTのヘッドホン「nwm ONE」レビュー:耳をふさがず音漏れしにくくなる技術の実力は?

AI要約

NTTグループの音響関連の事業会社・NTTソノリティが「nwm ONE」ワイヤレスヘッドホンを発売。

独特なデザインで、周辺音と共存するコンセプト。

PSZ技術を使用して音漏れを防止し、高音質なサウンドを提供。

NTTのヘッドホン「nwm ONE」レビュー:耳をふさがず音漏れしにくくなる技術の実力は?

NTTグループ内の音響関連の事業会社・NTTソノリティは、自社のブランドである「nwm(ヌーム)」から耳をふさがないワイヤレスヘッドホン「nwm ONE(ヌーム ワン)」を発売した。

アマゾンや楽天の直営ストア、家電量販店でも7月18日から販売中。直販価格は3万9600円(税込)。

見た目も奇抜な本機だが、デザインやサウンドのリスニング感も独特だ。そのベストな楽しみ方を検証する。

nwm ONEのデザインは、まるで骨組みだけになったワイヤレスヘッドホンのように個性的だ。

左右の耳の手前にスピーカーユニットを近接させて音を聴く。ヘッドホンのような形をしたフレームは、スピーカーユニットをユーザーの頭部に固定する役割を果たしている。

nwm ONEは「頭に装着するウェアラブルスピーカー」だと言い換えられる。

一般的にヘッドホンというオーディオ機器は周辺環境のノイズを遮断して、音に没入したい時に使うデバイスだ。

対してnwm ONEは、ユーザーが装着した状態で周囲の音と「共存する」ことをコンセプトに掲げるユニークなオーディオデバイスだ。

本機を装着して、音楽を再生しないままの状態であれば、周囲の環境音や人の声が普通に聞こえる。本体が約185gと軽いので、思わず装着していることを忘れそうになる。

左右の耳の前にピタリと触れるスピーカーには、片側2基ずつのドライバーユニットを内蔵している。

ひとつは高音域専用の12mm口径ツイータードライバー、もうひとつが中低音域を担う35mm口径ウーファードライバーだ。

それぞれのドライバーを別々のアンプで駆動することで、音の分離感がよく、なおかつ広帯域につながりのよいサウンドが再現できる。

耳をふさがない装着スタイルの懸念点は、コンテンツの音量を上げると「音漏れ」が盛大に発生することだ。

ユーザーにとっては心地よい音楽であったとしても、周囲に漏れる音はノイズでしかない。通話音声の内容はまわりに聞かれたくないものだ。

nwm ONEには「PSZ(Personalized Sound Zone)」というNTT独自の「音漏れを防ぐための音響技術」が搭載されている。

スピーカーが発するサウンドに、「逆位相」の音の波をぶつけると人の耳で聞き取れなくなる。

同様の仕組みはアクティブノイズキャンセリング機能を搭載するヘッドホンやイヤホンなどのオーディオ機器にも広く採用されている。

nwm ONEの場合、スピーカーのドライバーユニットから「漏れる音」に対して、逆位相の音をユニットの背面から出力している。これで周囲に漏れる音を「打ち消す」という。

PSZという音響処理技術を、独自に設計したハードウェアと上手に合わせ込むことによって、再生音を耳もとの一定範囲にとどめて「漏れにくく」したところにNTTソノリティの妙技がある。