JR西日本、山陽新幹線に「個室」 500系は27年引退

AI要約

JR西日本は、2026年度から山陽新幹線にN700Sを導入する。新車両では個室や安全性が強化され、さらに快適性が向上する。

N700Sには空調稼働機能を強化し、災害時でも乗客に快適な環境を提供する。また、飛来物検知機能の追加やLTE通信による車両データ伝送により、安全性が向上する。

さらに、700系車両を8両編成化する改造工事も行われ、2027年度に500系車両の営業運転を終了する予定だ。

JR西日本、山陽新幹線に「個室」 500系は27年引退

JR西日本は、山陽新幹線に「個室」など快適性や安全性を強化した「N700S」を2026年度から投入する。

山陽新幹線の安全性・快適性を向上する取り組みで、JR東海とともに導入する車両。導入される個室は、グリーン車よりもさらに上質な設備・サービスを提供する。

安全機能の強化では、バッテリーによる空調稼働機能を追加し、災害などで車両が停止した際にでも、空調を作動できるようになる。既存の車両でもバッテリーは搭載していたが、停電時にトンネルや橋梁などを避けて乗客の避難が容易な場所へ自走するためのものだった。これを、空調の稼働にも利用できるようにしたもので、数十分間の空調運転を可能にする。

パンタグラフへの飛来物付着等を画像解析で検知する機能も追加され、運転士や指令所の係員に通知することで、より早期に異常を検知できるようになる。また、車両データはLTE通信によるリアルタイム伝送が可能で、車両故障等の異常時により詳細な車両データを伝送可能。これにより詳細な情報を把握可能になり、異常時の運転再開を早期化する。

また、N700Sの投入に伴い、従来「のぞみ」号として運用していた700系16両編成を、8両編成化する改造工事を計10編成で実施。現在運行している500系車両と入れ替えることで、2027年度を目処に同車両の営業運転を終了する。

500系は1997年3月22日のダイヤ改正より「のぞみ」として営業運転を開始。当時の国内最高速度300km/h営業運転を行ない、新大阪~博多間を最速2時間17分で結んだ。2008年以降は8両編成に改造し、「こだま」として営業運転を続けていたが、車両の老朽化に伴い2027年を目途に営業運転を終了することになった。